レイジング・サンダー

レイジング・サンダーのレビュー・評価・感想

レイジング・サンダー
10

騙されたと思って観てほしい!

30年近く前の作品ではあるが、それを全く感じさせないコマンドアクションと格闘技アクションを見事なまでに融合させた「知る人ぞ知る」香港製のバトルアクション巨編。
ストーリーは、ソ連が極秘裏に組織したテログループに恋人を誘拐されたアメリカ人青年(主人公)が知己のベトナム帰還兵とともに奪還に赴く、というもの。制作陣には一躍ジャッキー・チェンをスターダムにのしあげた香港の名物プロデューサー「呉思遠(ウー・シー・ユエン」、武術指導はジャッキー・チェンと共に京劇学校で鎬を削った「元奎(ユン・ケイ)」と実力者が揃っており、「とにかく一瞬たりとも観客は飽きさせない!」というメッセージが確実に伝わってくるのは間違いない。主人公が格闘技(テコンドー)の達人という設定の為、次々に襲いくる敵と繰り広げる命知らずの肉体アクションが絶え間なく展開されるのは勿論の事、当時流行していた「ランボー」「コマンドー」等で見られた銃弾・爆薬を惜しみなくつぎ込む「コマンドアクション」の面白さも盛り込まれた痛快作に仕上がっていて、そして散々銃撃戦をした後に「最強の敵との一騎打ち」といういかにも「香港映画ファン」に配慮したかのような見せ場も実に心地よい。決して観るものを飽きさせない。