クローン ベイビー

クローン ベイビーのレビュー・評価・感想

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クローン ベイビー
10

チェックしてみて損はない

まず結論を書きましょう。
このドラマ、かなり面白かったです。
SF的要素を含むというのが好みにマッチしたというのもありましたが、マンガなどでよくある設定にも関わらず、さほど陳腐さを感じない。
ストーリー上の細かいアラは勿論たくさんあるものの、雰囲気だけハイブロウwをガンガン押してきて、理屈抜きで観る者を引っ張っていく力がありました。
お話の軸がはっきりしてるんですよね。殺し合うクローンたちの哀しい宿命。
今はWikiなどを観れば、過去作品であってもそこそこの情報が入手できるいい時代です。
そこで辿った情報によれば、主演以外をネット公開オーディションで選ぶなど、かなりの実験的かつ野心的な試みがなされた作品であったようですね。なるほど、作り手の気合を感じる訳です。
オーディションで選ばれたという若手くんたちも、十分期待に応えていると思います。

特に、松坂桃李くんがいいです。クセのある役なのに華がある。
正直、梅ちゃんのダンナ役ではそこまでの魅力を感じず、高身長の割に胸板の薄さばかりが気になって。
なんだってあんなにブレイクしたのかいまいちピンと来てなかったので、この作品で魅力を知ることができて良かったです。
上下オール白の衣装も素敵にお似合い。あのまま金色の扇持って鍋の徳川15代将軍踊ってくれても構わないレベル。(←ええと、分かりにくいですが全力で褒めてます)
本来は、この松坂くんこそが、大型シリーズ企画であった舞台銀英伝のラインハルトをずっと務めるはずでした。
しかし、初回の評判は期待値にやや及ばず、主催と松坂事務所サイドで揉めたとの噂が流れたり、その後予測以上に早く映像でブレイクしたこともあって、降板してしまったという曰くつきのエピソードがあるのです。
スーパーブレイクの渦中にあった松坂くん自身も深く傷ついたまま、舞台がトラウマ化していたとある番組中で本人が自分の口で語ったそうですよ。気の毒に…。
それが、まさにこのドラマ放映後翌年の出来事。
その後、逃げられて大弱りした舞台銀英伝が、奇跡のごとく19歳間宮ハルトという存在を見つけ出すまでに、約2年を要した。
そして、松坂くんもまた、2年を経てようやく舞台世界に戻ってきてくれることになったのです。ドラマじゃのう。
さてと本題に戻りましょう。
残念ながら、主演の市川くんは、ちょっと精彩を欠いているかな。
しっかり眉毛に高身長。正統派の顔立ちで男らしいが、ややくぐもった低音ボイス。
なんか、どっかで見たことある…と思ったら、赤岩役の福士くんにそっくりだった。しかも二人は同じ大手事務所研音というオチ。ああいうタイプが好きなとこなのね、きっと笑。王道主人公型というか。
この頃から、約3年。銀匙の駒場役では、本当に爽やかで男らしく素敵だったから、成長ぶりが伺えて嬉しいし立派です。
稲葉くんの演技を見たのは初めてでしたが、いい表情をする役者さんだと思いました。
お写真では端正な顔立ちでしたので、落ち着いた物静かな人を勝手に想像してましたが、ああ勘違い。真逆でした。剛球投げちゃうヤンキー役無問題の方でしたわ。あれなら野球小僧間宮のダチであること納得です笑。
華ということでは、他の役者さんに見劣りするかもしれないですが、(まあ共演相手があのとーり君とかでは誰でも見劣りしちゃうよね…)若さに似合わぬ堅実な仕事をこなしてる感が出ていて、大変いい印象を持ちました。
この作品は、各キャストの泣きっぷり死にっぷりを遠慮なく比較鑑賞できるのですが笑、稲葉くんは松坂くんに次いで印象的な演技をしていたと思いますよ。俄然、近日拝見する予定の舞台が楽しみに。
一方、ザキヤマさんはですね…。可愛いよ…www。
率直に言って、メインの中では一番演技が拙いです。でも、冷静に考えると、当時若干16歳ですからねー。
まだキャリアもさほど無い、そんな段階であれなら、十分かもしれない。
他のレベルが高いので、拙さが目に付いてしまいますが、あのレベルで堂々と主演はってる人たち、よく考えたら普通にいるじゃんという事実に気づきましたwww。
桜田通くんが、高身長小顔イケメンやってて、腰ぬかしますよ。ただしクズ笑。
最初の方で殺されてしまいますが、実は彼が出ていると事前に知らずに観始めていたものですから、いきなり画面に現れた時には、本気で声をあげて驚いてしまいました。
いやー、彼、癖のある役こなせるし、似合っちゃう人ですね。黙って立ってりゃ、モデルみたいなのにね笑。
半分想像で書きますが、TVドラマの世界には、若手発掘&売り出し番組の需要があって、それを狙った作品が一定のサイクルで登場しているのではないでしょうか。
このドラマもまた、そんな位置づけにある一つで、若手俳優に興味ある人なら、必ず一度はチェックしている作品と見たぞ。かつ、マニア臭も発する、知る人ぞ知る有名作というやつ?
お時間に余裕のある方は、チェックしてみて損はない作品だと思います。