インサイド・マン

インサイド・マン

『インサイド・マン』とは、2006年に公開されたアメリカの映画。監督はスパイク・リー、主演はデンゼル・ワシントンが務めた。
ダルトン・ラッセル率いる4人の銀行強盗グループは、周到な計画のもと白昼のマンハッタン信託銀行を急襲する。警察も現場に駆け付けるが、従業員と客を人質にとりながら迅速に事を進める強盗グループを前に、警察は動くことができない。その裏では銀行の会長から密命を託された女性弁護士マデリーン・ホワイトが動き出すのだった。

インサイド・マンのレビュー・評価・感想

インサイド・マン
8

犯人の完璧さに圧巻。

銀行強盗の完全犯罪映画です。
一番の魅力はやはり犯罪の手口。人質全員に犯罪者グループと同じ服装をさせて誰が犯人かわからなくしたり、犯罪者グループのメンバーが人質のフリをして暴れることで他の人質から疑われないようにしたり、犯罪の手口が完璧でした。また、警察の盗聴を先読みしてアルバニア語のテープを流したり、人質を処刑したフリをしたり、完全に警察の一歩先を行く手口は圧巻です。おそらく手口はすべて犯罪者のリーダーが考えたのでしょう、警察と電話でやり取りする際や、女弁護士と会話する際も常に落ち着いていて、頭の良さを醸し出していました。
こんな完璧な犯罪を考えるくらいだから、相当冷徹な男だと思っていると大間違い。犯罪の真の狙いは金ではなく、戦争犯罪の過去を暴くため。しかも人殺しは一切せず、子供にもやさしいという完璧さ。頭の良さだけでなく人間性の面でも完璧です(犯罪を行っている時点で完璧ではないですが)。この犯罪者のリーダーは現代の石川五右衛門(義賊)と呼べるほどです。この映画の登場人物は基本的に頭がさえていて、刑事も会話に冗談を交えながら心理戦を行うのですが、やはりリーダーの方が一枚上手です。この映画は犯罪者の頭の良さに注目すべき作品です。