パッション

パッション

『パッション』は2004年のアメリカ映画。監督は俳優としても知られるメル・ギブソン。日本では2004年5月に公開された。出演者たちのセリフは全てアラム語とラテン語で、メル・ギブソン自身の意向により公開された各国での言語での吹替えは一切作られていない。イエス・キリストが愛と癒しをもって周囲の人々の尊敬を集める生活から一転し、処刑されるまでの12時間を描いている。キリストの受難と磔刑という凄惨な描写は多くの賛否を呼んだ。

パッションのレビュー・評価・感想

パッション
6

心にズッシリ

イエスキリストが処刑されるまでの12時間を描くという内容で、ユダの裏切り、最後の晩餐、ゴルゴダの丘、十字架、復活などを記しています。監督の意向で各国の吹替版は一切制作されておらず、全編アラム語とラテン語のみです。英語もありません。忠実に描くとしたらこの時代にそもそも英語が飛び交うのもおかしな話ですが。
聖書やキリストについて深く考えるキッカケとなった映画です。終始暗くて絶望感漂う感じで、見終わった後は心が重くなります。キリストに対する拷問シーンは特に痛ましくて目を背けたくなります。きっと聖書を文字に起こし今日まで伝えてきたのはこうしたアラム語、ラテン語がわかる人達だけですよね。宗教や神って何だろうと思わずにはいられないです。
ある程度、聖書やキリスト教について知識があれば、もう少し飲み込みやすいのかもしれません。そもそも他の外国諸国に比べて、あまり宗教が浸透していない日本人にとっては少々理解し難い部分もあります。気になって調べたら監督であるメルギブソン自身が熱心なカトリック教徒だそうで、それを踏まえた上で見るとまた違った見方になるというか、なんだかすごく偏った(反ユダヤ主義)映画にも見えてきます。