素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店

素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店のレビュー・評価・感想

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素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店
10

ほっこりする映画です

こちらはオランダ制作のハートフル映画になります。
子供の頃から精神疾患を患う主人公が、母親の死をきっかけに自殺を試みるところから映画が始まります。この時点でもなんども自殺に失敗して少し笑えるのですが、この物語のメインは自殺したい男がなんやかんやで死から逃げる所です。

自殺幇助サービス、つまり安楽死サービスとも取れるその企業からの刺客により、男の味気ない人生は180度変わっていきます。死を望み、「サプライズ」というコースでいつ訪れるか分からない死を待ち続ける男は、自分と同じ自殺志願の女性に会うことで、ずっと昔にしまい込んでいた人としての感情を取り戻していきます。
貴族として生まれ、何不自由なく生き、そしてずっと死ぬ事を待ち望んでいた主人公が、生きるために泥だらけになっていく姿には、感動を覚えました。

オランダは安楽死制度の取り入れてる国の一つですが、この映画を観ると人生の捉え方が変わります。この自殺幇助サービスも、利用する側もされる側も決して後ろ向きではありません。幸せのうちに逝く事、生き方と同じく死に方にも自由があっても良いじゃないかという意志が伝わる映画です。人生観について前向きになれる映画です!