ULTRA STREET FIGHTER II The Final Challengers

ULTRA STREET FIGHTER II The Final Challengersのレビュー・評価・感想

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ULTRA STREET FIGHTER II The Final Challengers
7

手軽にネットでスト2対戦!

ギルティギアXが流行り出した辺りから、所謂コンボゲーと呼ばれる格闘ゲームが乱立していく中、敢えて単発技での差し合い・読み合いを重視した対戦格闘ゲームで、本当の格闘ゲームとは「こういうシンプルな読み合いが面白いんだ!」と思い出させてくれた格闘ゲームでした。
そして、一部キャラのコマンド変更も非常に好感度が高いです。リュウ・豪鬼の灼熱波動拳とダルシムのヨガフレイム・ヨガブラストのコマンドを変更した事で、暴発する心配がなくなりましたし、ケンの鉈落とし蹴りも、前に歩いて足払いを差し込もうとした時に暴発する恐れもなくなり、ザンギエフのバニシングフラットやサガットのタイガーニークラッシュはZEROシリーズ以降のコマンドになり、出しやすく。極めつけは、フェイロンの裂空脚とキャミィのフーリガンコンビネーションのコマンドに斜め上を入力しなくてよくなったのが、非常によく、特にこの2キャラ実戦で使いやすくなり、ウル2でダイヤグラムを大きく上げたに違いありません。
ただ、全てが良いという訳ではなく、バルログがスペインステージで金網に掴まるダッシュ・ターボ時代の性能に戻された上、ステージ選択権が1P側にあるので、2Pでバルログを選んだ時に、1P側が故意にスペインを選ぶイジメが勃発する様になってしまったのは問題でした。それ以上に、普通に選べる様になった豪鬼や、新たに追加された殺意リュウと洗脳ケンが、理不尽な強さで対戦環境を悪くさせたのは大問題でした。豪鬼の斬空波動拳がスパ2Xの頃と同じ性能なので、空中ガードや空中ブロッキングのないこのゲームで、近付くのが難しく、瞬獄殺も性能が非常に高い。殺意リュウは、豪鬼と同じく中竜巻旋風脚で打ち上げた相手に昇龍拳で追い打ち空中コンボを決められる様になったのですが、その威力が高過ぎて、ゲームバランスを崩壊させるレベルだったのが大きくマイナスでした。ジャンプ強キック→しゃがみ中キック→キャンセル中竜巻旋風脚→昇龍拳というちょっとした基本コンボだけで体力が満タンの7割を減らした上で、相手が必ず気絶するのは、宜しくないです。というか、ゲーム終わってます。洗脳ケンは、もはやこのゲーム最大の汚点と言っても過言ではないキャラで、移動技羅刹脚は隙と硬直が少なく、足払いと投げ以外受け付けない上、裏にも回れるので、ソニックブームを溜めてるガイルのタメを潰しながら裏から投げるなんてスタイルが恐ろしく強過ぎた上、中・強昇龍拳に空中コンボ判定が付いており、コレもまた理不尽な強さをもっていた上、弱昇龍拳の隙がなさすぎて、至近距離でフェイロンの烈火真拳を弱昇龍拳連発だけで全て避けきれてしまう壊れキャラでした。
他には、カラーエディットで自由に色が各キャラ10色ずつ作れたのは楽しく、デフォルトカラーにないけど欲しい色が作れたのは嬉しかったですが、初期位置が暗めの色に合っている為、肌が浅黒いキャラが乱発したり、公式サイトが緑肌のリュウ等を紹介していたからなのか、肌の色がブランカ並になってしまったキャラが乱立したのは、少々お見苦しく感じました。
問題点や改善点は多かったですが、対戦格闘ゲームとしては、非常に楽しめる1品です。特に実力の近い者同士で、リュウVSガイルをやると本当に面白い読み合いが楽しめます。