老人賭博

老人賭博

『老人賭博』とは、2010年に文藝春秋から出版された小説およびそれを原作とした漫画。原作・松尾スズキ、作画・すぎむらしんいちの異色コラボが話題を呼んだ作品である。
多額の借金を抱えた針きゅう師・金子堅三は、ある日店に来た脚本家・海馬五郎に弟子にしてほしいと頼む。しかし、海馬は撮影中にも関わらずギャンブルに夢中になるような男だった。

老人賭博のレビュー・評価・感想

老人賭博
4

作者ふたりはそれぞれおもしろいのに

原作・松尾スズキ、漫画・すぎむらしんいち(敬称略)
松尾氏本人がモデルであろう、映画監督兼役者兼コラムニスト・海馬五郎と、顔が膨れ上がる謎の奇病にかかり、手術してもらったら目の小さい地味な顔立ちが一転つぶらな瞳の美青年になった金子堅三というマッサージ師が出会い、映画の世界に関わりたい金子が海馬に弟子入り。お互いを先生、センセイと呼び合う奇妙な師弟関係に。
海馬が別名で書いた脚本(途中まで書いてた脚本家がシャブで捕まったため)の映画の撮影で北九州へ行くことになる。金子は憧れのグラドルいしかわ海と会えると舞い上がるが、主演は小関泰司78歳。いろいろな意味でウケそうにない映画に、ギャンブル好きの海馬は妙な賭けを持ち込む。
小関はかなり耄碌していて、大方のことにマネージャーの補佐がいる。この爺さんがセリフを覚えられるか。どうしても賭けに勝ちたい海馬は手段を選ばない。そのために脚本は二転三転。セリフがどんどん長くなる。
顔はベビーフェイス、体はマッチョになったが元が陰キャな金子、何かと言うと賭けにするプロデューサーら、明るいだけではないいしかわ、などのメンバーでグダグダと映画づくりは進むが…。

すぎむら氏と松尾氏、これまでの作品から、このタッグは絶対めちゃめちゃおもしろいぞと期待特大で読みました。
う~~ん…!なんだか、テンポが良くない…もしかしてこれ舞台だったら、結構客が笑っていい感じになったかもとか思うのだが…漫画としては、なんだか読んでて気を使うような、一言で言うと「イマイチ」だなあと感じました…。