あせとせっけん / Sweat and Soap

「あせとせっけん」とはモーニングKCより発売されている山田金鉄による恋愛漫画である。
舞台は化粧品&バス用品を取り扱う会社・リリアドロップ。会社の経理である八重島麻子と会社の花形である商品開発部のエース・名取香太郎。麻子は幼い頃に汗っかきなことをからかわれて以来汗の処理には人一倍敏感であったが、偶然会社のエントランスで出会った名取に匂いを嗅がれてしまう。一歩間違えば犯罪のような出会いから二人は心を通わせていく。
恋愛をしてこなかった麻子の初めての恋愛物語であるのとは対照的に、過激なベッドシーンが各話で出てくることも反響を呼んだ。
漫画は2021年1月7日発売Dモーニング6号にて完結。単行本も最終11巻まで発売済みである。
2021年には第45回講談社漫画総合部門にもノミネートされ、2021年5月には累計発行部数400万部を突破した。
2022年には俳優の佐藤寛太・大原優乃によるドラマ化もされている。

あせとせっけん / Sweat and Soapのレビュー・評価・感想

あせとせっけん / Sweat and Soap
10

安心して読めるラブコメ

こちらの漫画は講談社の週刊Dモーニングにて連載されていた青年漫画になります。
あらすじとしては、化粧品メーカーに勤める麻子は大の汗っかきで、それをコンプレックスにしています。そんな中、同社で石鹸の商品開発を担当する香太郎と出会い、二人はやがて恋仲に、というものです。
それだけを書くと、よくあるラブコメなのかなと思われるかもしれませんが、この作品の特徴はとにかく安心して読めること。二人の恋仲を邪魔するものは一切なし、恋のライバルも当然なし、破局の危機なんて微塵もありません。ただ、ひたすらに初々しい二人の恋物語を見守る作品です。逆にそれだと面白味に欠けるんじゃないの、と思われるかもしれません。しかし、ご心配なく。恋愛の場数を踏んだ人間からはほんの些細な取るに足らないことに思い悩み、二人で乗り越え正業していく姿には心が洗われるような気持ちになりました。時にもどかしく、時にほっこりしながら、読み終わった後に、じんわりと胸の中があたたかくなるようなさわやかで優しい恋愛漫画となっています。
女性にとってはナイーブな汗っかきというコンプレックスを抱えた麻子と、めっぽう鼻が利く香太郎。その素敵な恋愛物語です。

あせとせっけん / Sweat and Soap
8

本のタイトルで誤解しないで!!

タイトルからでは想像出来ないくらいキュンキュンする大人の恋愛漫画です。嫌味なキャラがいないので作者様がおっしゃる通りに平和なストーリーとなっています。ドロドロ系が苦手な方も安心して読めます。
某石鹸メーカーに勤める、多汗症をコンプレックスとしている主人公の女性が、主にこの会社の石鹸開発をしている男性とヒョンな事から出会い、恋へと発展していくストーリーです。恋愛経験がない主人公が彼との出会いをきっかけにコンプレックスになっている多汗症を個性へと感じられ、周りの人達とも積極的に関わりをもち、見た目も変わっていく成長。少し読んでいてハラハラする事など1つ1つどこのカップルでも起こるであろう困難や壁を乗り越える物語を読むとこちらもスッキリします。周りを取り囲むキャラもとても個性豊かで、時々ある周りのキャラとの関わりなども上手に書かれていてクスッと笑える所もあります。
結婚前提で同棲を考えている事を伝える為に主人公の実家へ彼氏を紹介する時、両親の温かさと娘が結婚へと向かう寂しさが描かれたシーンはホロっときてしまいます。結婚を意識し始めた2人のこれからのストーリーはまだまだ始まったばかりなので、これからも目が離せない漫画です。

あせとせっけん / Sweat and Soap
10

においフェチストーカーと地味子の惹かれ合う純愛!

汗っかきでいつもデオドラント用品を欠かせない八重島麻子は化粧品&バス用品メーカー「リリアドロップ」経理部のOL。いつも目立たないようにして汗を避けて匂いがしないようにひっそりと勤務していた。そこへたまたま通りがかったリリアドロップ商品開発部のエース名取香太郎が敏感に麻子の体臭に反応!あまりの素晴らしいその体臭に名取は一目惚れ。「毎日君のにおいを嗅ぎに来ます」と麻子に宣言してしまう。セクハラな上にとんでもない変態フェチ登場で戸惑う麻子であったが、なぜか繰り返し名取ににおいを嗅がれるのが嫌ではなかった。名取は出会いの瞬間に感じた麻子のにおいを追いかけるが、その後なかなか見つからない。会社の中のそこかしこでにおいを嗅ぎ続ける名取とそれをじっと耐える麻子。そんな不思議なあり得ない関係の二人はいつしか結ばれることに。麻子はまだ未経験で初々しい恥じらいで名取と朝を迎える。やがて麻子の「素晴らしい体臭」には幸福を感じる発揮されるという条件が必要とわかる。時に強引でしかし社内でもモテモテの仕事人名取と、メガネっ子で地味ながら魅惑的なボディの麻子。
題材がフェチなだけに一歩間違えばただの変態漫画に成り下がるところだが、この作品は女子受けもするラブストーリー。男子なら彼女の「におい」に惚れたことがある人にはたまらない展開が1ページ目から怒涛の勢いで繰り広げられます。描写は過激度少な目ですが、このエロさはこれまでなかったジャンルだと言えます。大推薦!