リアリティがあった
夢を追いかけるのって大変だし、嫌なことも多いけど、素敵だなと思わせてくれる映画でした。
芸人は今すごく多いし、売れる人なんか一握りなのだろうなということはなんとなく分かっていましたが、夢破れた人の姿を見るとよりリアルに切なくなりました。でも、映画の中の神谷のいうとおり、そうじゃなきゃ面白くないし、敗者あっての勝者なのでしょう。負けた人にも意味があると教えてくれるいい話でした。
あと、やはり芸人の世界をよく知る人が原作を書いてるだけあって、芸人とはどういう生活してるのかとか、芸人とはどういう人なのかに、リアリティがありました。後輩に飯を上がるというしきたりにより生じる苦しみとか、オーデイションのダメ出しとか、ああ、こういう感じなんだとよく分かりました。それに、桐谷健太さんとか、いかにも熱い男で神谷にぴったりだなと思いました。
ただ、2時間という短い時間にまとめているので、いいエピソードの切り貼り感は否めないです。私はドラマ版は見ていないのですが、そちらは12話あったし、そっちの方が深く描けていたようです。そりゃあ、小説が原作の映画で小説の全てを描くのは難しいとは思いますが、もうちよっとどうにかならなかったかなと思いました。