それでも歩は寄せてくる

それでも歩は寄せてくる

『それでも歩は寄せてくる』とは、2019年より山本崇一朗が『週刊少年マガジン』で連載している漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。アニメ放送は2022年7月から9月。
将棋部の先輩後輩の間柄である、うるしと歩(あゆむ)の日常を描いたラブコメ作品。恋の駆け引きを将棋の勝負になぞらえたストーリーが特徴。
先輩のうるしに将棋で勝ったら告白すると胸に誓っている歩。告白こそしていないものの、あからさまにうるしのことが好きだと思わせるような真っ直ぐな発言でうるしのことを照れさせている。

masaki1225a9のレビュー・評価・感想

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それでも歩は寄せてくる
9

「山本 崇一郎」氏の人気ラブコメ、「からかい上手な高木さん」より面白い。

山本 崇一郎氏は、「からかい上手な高木さん」で一躍有名になったが、この「それでも歩は寄せてくる」では、からかわれるのを女の子の「八乙女 うるし」にし、からかう側を男性の「田中 歩」にしたところに新たな”発見”がある。
八乙女 うるしちゃんに「将棋」でどんどん攻める、のではなく、将棋では負けてばかりの田中 歩くんは、うるしちゃんの「自尊心」を徹底的に見抜いて、揚げ足を取ってくる。
「かわいいですね、先輩は」「顔真っ赤ですけど、大丈夫ですか」とか、うるしちゃんが「照れる」こと、必ず将棋の勝負に言ってくる、フェイント攻撃的な作品で、読者を「笑かせる」内容がフンダンに含まれている。現在1、2巻が発行されているが、どちらも結構な人気のようで、ネットで買う分にも割引値段が設定ないほどである。
すぐのぼせる「うるしちゃん」を、山本さんは上手く描いていて、胸大きくない、胴長短足といういで立ちは高木さんと変わりないが、描画センスは「うる星やつら」よりランク上である。ギャグセンスも現代的になっていて、モテたいのに素直になれないうるしちゃんの屈折した「心情」を逆手に取っている。
今を時めく山本センセイ、といった感じですが、ネタが新しいのを必ず用意してくれる、なかなか努力家の先生だと思う。
「からかい上手な高木さん」が、ちとネタ尽きてる感じするのに、この「それでも歩は寄せてくる」では、新手のギャグが必ず用意されている、なかなか面白い作品だと思う。