忘れないと誓ったぼくがいた

忘れないと誓ったぼくがいた

『忘れないと誓ったぼくがいた』とは、日本ファンタジーノベル大賞を受賞した作家・平山瑞穂による長編ファンタジー小説、およびそれを原作とした実写映画作品である。原作は2006年2月に新潮社より単行本が刊行され、2008年7月に文庫化された。著者の長編第2作にあたる本作は、儚くも切ない設定と独特のファンタジーな世界観が特徴である。2015年には村上虹郎と早見あかりの主演により実写映画化された。
どこにでもいる平凡な高校3年生の葉山タカシは、ある日織部あずさという少女と出会い、恋に落ちる。しかし、あずさには「彼女に出会った人は誰もが、数時間のうちに彼女に関する記憶をすべて失ってしまう」という秘密があった。最初は彼女の告白を信じられなかったタカシだったが、周囲の人間があずさの存在を完全に忘れてしまっていることや、自分自身までもが彼女の記憶を少しずつ失いかけている現実に直面する。記憶が消えていく運命のなかで、自分だけはあずさのことを絶対に忘れるまいと心に誓ったタカシは、彼女の存在を繋ぎ止めるために必死の努力と葛藤を重ねていく。
忘れてしまう恐怖と愛する思いの狭間で揺れ動く二人の純粋な関係性や、儚くも切なさに満ちた青春のひとときを描いた純愛ラブストーリーである。

tomorrouのレビュー・評価・感想

忘れないと誓ったぼくがいた
6

人の記憶から消えてしまう少女とピュアな少年のラブストーリー

村上虹郎と早見あかりが演じた、神奈川県秦野市が舞台となっているラブストーリーです。主人公となる高校生のタカシは、ある夜自転車にて織部あずさにぶつかってしまいます。その時には、あずさはペンダントを大事そうに持っていました。タカシは、翌日学校にてあずさを見つけて声をかけます。その時、あずさは不思議そうな顔をするのです。なぜなら、不思議なことにあずさは数時間経つと人から自分の存在を忘れられてしまう人であったため、タカシが自分のことを覚えていたことにびっくりしたのです。何度かデートを重ね、タカシはあずさから、やっと名前を聞き出します。あずさは孝史に対して「絶対に忘れないで」と懇願するのです。その後、あずさはタカシに自分がすぐに人から忘れられてしまうことを告白します。それを確かめるタカシ。確かに、クラスメートも先生もあずさのことを覚えていないことを知り、あずさの話が本当であることを知るのです。しばらく経つと、タカシもあずさのことを忘れる兆候が始まります。隆は、彼女のことを写真にとったりビデオ撮影をしたり、部屋の中に「織部あずさを絶対に忘れない」などと張り紙をしたりして、彼女を忘れない努力をします。ある日、タカシの不在中にあずさはタカシの家を訪れ、タカシの姉からタカシの部屋で彼を待っていることを提案します。その時に、タカシの部屋の張り紙を見て、タカシも他の人と同じように自分を忘れる人になっていることをしります。あずさは孝史のことを思い、部屋の張り紙を全て処分してタカシの前から姿を消してしまうのです。
すっかり、あずさのことを忘れてしまったタカシは、ある日、自分のノートパソコンに、あずさが写った動画をたくさん見つけます。そして、自分があずさのことを愛していたことを知るのです。しかも、あずさとあったのは、自転車で彼女とぶつかったときの、1年前。つまり、タカシは2度、あずさのことを愛したのち忘れてしまっていたのです。その動画を見て、彼女が大切にしていたペンダントは自分がプレゼントしたものであることも知ります。そして、その日はあずさの誕生日で、恋人の丘で待ち合わせをすることも知ります。タカシは、急いで恋人の丘に向かいます。到着すると誰もいません。しばらく待っていると、あずさがやってきます。彼女は、あずさの友人で、あずさが「ありがとう」と言っていると伝えます。タカシは、あずさの顔を覚えていませんので、本物のあずさであることに気づかないのです。あずさがさった後に、自分のスマートフォンにあずさとのプリクラ写真があるのを見て、友人と名乗ったその人物が、あずさ本人であったことを知ります。慌てて追いかけるのですが、彼女の姿はもうありませんでした。