⻯とそばかすの姫

⻯とそばかすの姫

『竜とそばかすの姫』(りゅうとそばかすのひめ)とは、細田守が監督・脚本・原作を手掛け、スタジオ地図が制作した2021年7月16日公開のアニメーション映画である。全世界で50億人以上が利用する超巨大インターネット仮想世界「U」を舞台に、幼少期のトラウマから心を閉ざしていた内気な女子高生が、仮想世界での歌姫としての活動や謎の存在との出会いを通じて成長していく姿を描いた作品である。
高知県の田舎町で暮らす内気な女子高生・内藤すず(ないとう すず)は、幼い頃に母を水難事故で亡くしたショックから大好きだった歌を歌えなくなり、父親とも距離のある生活を送っていた。ある日、親友の勧めで仮想世界「U」にアクセスしたすずは、「ベル」というアバターの姿となって自然に歌えるようになり、自作の曲を披露して世界中から注目を集める歌姫となる。そんな中、Uの中で忌み嫌われる暴れ者である「竜」と呼ばれる謎のアバターと出会う。ベルは彼が小さなアバターを慈しむ姿に気づき、心を通わせていく。
現実世界において、すずは幼馴染のしのぶくんとの関係をきっかけに自身の心の傷と向き合い始める。さらに、Uを通じて竜の正体が現実世界で父親から激しい虐待を受けている少年の兄であることを知る。虐待に苦しむ兄弟を救うため、すずはUの中で自らの正体を全世界に向けて明かして生身の姿で歌い、単身で東京の兄弟の元へと赴く。恐怖を乗り越えて父親に立ち向かい、兄弟を守ろうとするすずの強い意志は、かつて母親を失って以来すれ違っていた父親との絆を取り戻すきっかけにもなる。
本作は、圧倒的なビジュアル表現と現代のインターネット社会が抱える問題や家族の絆を重ね合わせた重層的なストーリーが特徴である。第45回日本アカデミー賞において優秀アニメーション作品賞を受賞し、音楽を担当したスタッフが最優秀音楽賞を獲得するなど国内外で高く評価された。また、第74回ロカルノ国際映画祭でのキッズアワードを受賞しており、海外の映画批評サイトでも高い支持を得ている。

2shiroko0222のレビュー・評価・感想

⻯とそばかすの姫
8

「⻯とそばかすの姫」総評

2021年7⽉16⽇公開。
主⼈公である⼥⼦⾼⽣の「スズ」は幼いころに⺟を亡くし、⽗と⼆⼈暮らしをしている。⺟と歌うことが好きだったスズは⺟の死をきっかけに歌うことが出来なくなってしまった。
⾼校⽣になったある⽇、友達に誘われて「U」という仮想空間を知る。「U」では⾃分の分⾝となるAs(アズ)を作り、現実とは別の⾃分を⽣きることができる。現実世界では歌うことができないはずのスズが、Asとなった「U」の世界では⾃然と歌うことができ、あっという間に歌姫ベルとして⼈気となった。
主⼈公のスズおよびベル役は歌⼿の中村佳穂さんであり、劇中歌をほとんど歌っている。
彼⼥の歌声は儚さの中にある⼒強さが特徴的であり、特に「歌よ」は⼼を揺さぶられる。また、YOASOBIのボーカルの幾⽥りらさん、森⼭良⼦さん、坂本冬美さんら豪華な声優陣で合唱するシーンは⿃肌ものである。主⼈公が⼀歩踏み出し、歌う姿は⼼を打たれる⽅も多い
のではないか。
そして、「U」という仮想空間での話はいまいちピンとこない⼈も居るかもしれないが2022年現在、話題となっているメタバースもインターネット上の仮想空間やサービスであり、さまざまな企業や⼈々が集まり商業利⽤も考えられている。将来的にはオンライン上でアバター(⾃⾝の分⾝)を⽤いてコミュニケーションが⾏われるようだ。そのような背景の中、⾃⾝の気持ちを表現することが重要視される現代社会で私たちが⾃⼰表現とはなにかを考えることが出来る映画であると感じた。
是⾮、⼀度視聴してみてはいかがだろうか。