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「⻯とそばかすの姫」総評
2021年7⽉16⽇公開。
主⼈公である⼥⼦⾼⽣の「スズ」は幼いころに⺟を亡くし、⽗と⼆⼈暮らしをしている。⺟と歌うことが好きだったスズは⺟の死をきっかけに歌うことが出来なくなってしまった。
⾼校⽣になったある⽇、友達に誘われて「U」という仮想空間を知る。「U」では⾃分の分⾝となるAs(アズ)を作り、現実とは別の⾃分を⽣きることができる。現実世界では歌うことができないはずのスズが、Asとなった「U」の世界では⾃然と歌うことができ、あっという間に歌姫ベルとして⼈気となった。
主⼈公のスズおよびベル役は歌⼿の中村佳穂さんであり、劇中歌をほとんど歌っている。
彼⼥の歌声は儚さの中にある⼒強さが特徴的であり、特に「歌よ」は⼼を揺さぶられる。また、YOASOBIのボーカルの幾⽥りらさん、森⼭良⼦さん、坂本冬美さんら豪華な声優陣で合唱するシーンは⿃肌ものである。主⼈公が⼀歩踏み出し、歌う姿は⼼を打たれる⽅も多い
のではないか。
そして、「U」という仮想空間での話はいまいちピンとこない⼈も居るかもしれないが2022年現在、話題となっているメタバースもインターネット上の仮想空間やサービスであり、さまざまな企業や⼈々が集まり商業利⽤も考えられている。将来的にはオンライン上でアバター(⾃⾝の分⾝)を⽤いてコミュニケーションが⾏われるようだ。そのような背景の中、⾃⾝の気持ちを表現することが重要視される現代社会で私たちが⾃⼰表現とはなにかを考えることが出来る映画であると感じた。
是⾮、⼀度視聴してみてはいかがだろうか。