CHAGE and ASKA / チャゲ&飛鳥 / チャゲアス / C&A

CHAGE and ASKA / チャゲ&飛鳥 / チャゲアス / C&A

CHAGE and ASKAとは、1978年に活動を開始した音楽ユニット。高校の同級生であったChageとASKAで結成し、1979年にシングル『ひとり咲き』でデビューした。1996年にアジア出身者で初めて『MTVアンプラグド』に出演するなど世界中で人気のアーティストとなり、後のアーティストにも大きな影響を与えている。2019年、ASKAが脱退を発表した。
代表曲は「SAY TES」「YAH YAH YAH」。

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CHAGE and ASKA / チャゲ&飛鳥 / チャゲアス / C&A
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CHAGE and ASKAの音楽的功績を語る

皆さんは「CHAGE and ASKA」というグループをどこまでご存知でしょうか?
「SAY YES」や「YAH YAH YAH」なら一度は聴いたことある。
CHAGE=帽子とサンブラスを着用している陽気なオジさん。
ASKA=覚醒剤で逮捕されて、グループ脱退を宣言した残念なオジさん。
そんな印象を受けている方も多いのではないでしょうか。
令和の時代を迎え、CHAGE and ASKAの音楽的功績を知らない世代が増えるのが少し寂しいです。
そこで私はCHAGE and ASKAの音楽史飲みに焦点を置きながら、彼らの魅力を凝縮して紹介したい思います。

1979年8月25日、彼らは「チャゲ&飛鳥」というグループ名でメジャーデビューを果たします。
ASKAさんが剣道特待生として頓挫し、高校3年生になってからギターを始めた遅咲きであること、先にデビューしていた九州の兄貴分歌手・長渕剛さんからの後押しもありデビューの切符を勝ち取ったこと、また、デビュー直前までチャゲ&飛鳥は7人編成でコンテストに出場していたことは少し驚きますよね。
余談ですが、79年といえば「機動戦士ガンダム」の放送や「エイリアン」が上映された年で有名です。
そのような時代感で、彼らは「演歌フォーク」というノスタルジックな作風で活動し、3rdシングルレコード「万里の河」のロングヒットが起爆剤となり全国ツアーが大盛況となります。
その後、83年に国立代々木競技場第一体育館初となるコンサート会場としての公演成功や、「石川優子とチャゲ」名義でのシングル「ふたりの愛ランド」の大ヒットなど、歌手としてのキャリアを着実に積み重ねますが、その一方でデュオとしてはレコードの売上不振が続いた為、暗黒期へと突入します。

多くの苦難の末に、音楽性の転換を理由に当時のレコード会社を離れ、86年にレコード会社移籍後の初シングル「モーニングムーン」がヒットし、見事にスターダムへとリバイバルを果たします。
それまで確立していた「フォーク演歌」の作風から脱却し、本来彼らが影響を受けていたポップやロックジャンルへと回帰、
特にASKAさんは当時斬新だったシンセサウンドやPCの打ち込みに傾倒し、型にはまらないコード感やボイシングを追求していき独自性を確立、そこからは次々とヒット曲を生み出しています。
この時期は故・ジャニーズ喜多川の依頼を受けて88年、後に一世風靡するジャニーズ事務所のアイドルグループ「光GENJI」の楽曲提供を通じて、音楽作家としても一躍注目を浴びます。
そして90年、ASKAさんが音楽の活動拠点を英国ロンドンに移したことを機に、日本のみならずアジア・ヨーロッパ圏で彼らの音楽が話題となり、このことは彼らの黄金期として一般的に認知されている91年~96年と一致します。
その顕著たるものが、3年連続のゴールドディスク大賞受賞、モナコ音楽祭に日本代表として初出場、アジア人としてMTV Unplugged初出演、韓国国内での日本アーティストとしての単独公演実現です。
当時のJ-POPが世界の音楽と張り合える瞬間を、私は「CHAGE and ASKA」を通じて初めて目にしました。
音楽においてもコンプレックスを根強く感じていた世界の大きな壁を、CHAGE and ASKAという歌手が打ち破ったのです。
YouTubeやTwitterのような情報共有ツールもなく、宇多田ヒカルもONE OK ROCKも存在しなかった時代ですから、邦楽リスナーとしてそれはそれは誇らしい気持ちでした。
しかし残念ながら、彼らが20周年を迎えた99年~00年以降になると音楽的な世代交代も受けて、それまでのように世間に注目を浴びるような活動は影を潜め、09年にはCHAGE and ASKAとしての無期限活動休止を発表、それぞれのソロ活動に専念します。
その後は皆さんご周知の通り、ASKAさんが薬物事件を起こして世間を騒がせたり、19年のデビュー40周年の日に脱退宣言し、CHAGE and ASKAは幕を閉じています。

CHAGE and ASKAはJ-POPに燦然と輝く音楽グループであることは間違いありません。
また、彼らは人間性も非常に面白く、ライブでのMCも芸人さんの漫才を見ているかのようにテンポ感があり定評がありました。
まるで正反対のキャラクターをデュオとしてのバランスとして絶妙に成立させているのが、CHAGE and ASKAの魅力の一つだと思います。
これを機会に多くの人がCHAGE and ASKAの音楽を少しでも興味を抱き、その素晴らしさに触れていただけると幸いです。