日本語ラップの金字塔!!聴く教科書 キングギドラ「最終兵器」
元来、ヒップホップはダンスミュージックであると同時に「メッセージ」を伝える音楽だ。
それはヒップホップ誕生の頃から、黒人差別や貧困、ドラッグ汚染などへの警鐘を鳴らす手段としてラップが使われてきた事からも分かるだろう。
本場アメリカなら90年代はpublic enemyなどが政治的なメッセージを曲で発信したり、近年ならChildish Gambinoのthis is americaなどが黒人差別を示唆する曲として有名になった。
では、ここ日本ではmcバトルブームやラップブームは到来したものの、メッセージという点ではずば抜けたものはまだないように感じる。
しかし、実は既に2000年代にこういった問題へのメッセージにヒューチャーしたラップが世に放たれている。
それがキングギドラ「最終兵器」。
では、どういった曲が収録されているのか、アルバムから二曲、紹介する。
・「トビスギ(dont do it)」zeebra、k dub shine、dj oasisがそれぞれ覚せい剤にハマっている人々をストーリーテリングでラップしてゆく。
・「FFB」first food bitchの略で、簡単に男性と寝る女性の姿をラップし、気品のあるしっかりとした女性を志すように歌っている。
他にも同時多発テロをテーマにした「911」、北朝鮮の拉致問題に怒る「真実の爆弾」、環境問題やメディア腐敗に触れよりよい理想の社会について歌う「ジェネレーションネクスト」など、タブーになりがちなトピックについてラップしている。
まさに「読む教科書」と言えるだろう。
社会問題に少しでも興味が向いたら、または心に刺さるメッセージを欲しているならば、必聴の一枚だ。是非聴いてほしい。