おもちゃで遊んでたかつての子どもたちへ
今作は子どもよりも大人を対象にしているかのような印象を受けた。トイ・ストーリーの1作目を映画館で見た子どもはいまはもう大人になっているだろう。当時ウッディやバズのドキドキするようなちょっとした冒険に魅入り、自分の愛するおもちゃも夜中に動いているのではないかと本気で信じることができた頃のことを、本作を見ていると嫌でも思い出されてしまう。多くの子どもは成長する過程で愛していたおもちゃを失くしたり、捨てたり、様々な形で別れてきた。ウッディも今作ではボニーに飽きられてしまい、クローゼットの奥で他のおもちゃを羨ましそうに眺める日々を送り、その中でボニーが作り上げたフォーキーというおもちゃの世話をすることが唯一の存在意義になってしまう。「おもちゃは遊んで貰えなければ存在している意味がない」というニュアンスの雰囲気が切なく胸を痛める。飽きて捨ててしまったおもちゃがある大人なら尚更同じ思いを抱くだろう。そして最後に、ウッディはボニーや、数々の困難を乗り越えてきた仲間たちと別れて新たな道を選んだ。強い絆で結ばれていたウッディとバズが別れるという結末には、1作目から見ていた者は涙を我慢できないだろう。「俺がついてるぜ…」というウッディのテーマソングの歌詞を思い出すと更に泣けてくる。今作を見た子どもたちも、いずれ大人になった時に同様の切なさを感じるだろう。