SIREN / サイレン

SIREN / サイレン

『SIREN』とは、2003年にソニー・コンピューターエンタテイメントが開発、PlayStation2用に販売されたホラーゲームである。他人の視界を利用してマップを見渡せる幻視ジャック(視界ジャック)や純日本風の舞台設定など、他にはないシステムや世界観から、国内外で大ヒットとなった。主人公の進め方次第でシナリオの難易度が変化はするも高難易度であることも知られている。

petitchou0603のレビュー・評価・感想

SIREN / サイレン
10

世界観が素晴らしい、日本最高峰のホラーゲーム。

私がこのゲームを初めてプレイしたのはもう10年以上昔ですが、現在でも自分にとってこの作品を凌駕するゲームに出会っておりません。
この作品の素晴らしいところは何と言ってもその練り上げられた「世界観」。小野不由美さんの「屍鬼」、伊藤潤二さんの「サイレンの鳴る町(だったかな?)」に大きな影響を受けているためか、奥深い、それでいてクリア後も何かすっきりしないモヤモヤ感が残る、ちょうど名作ホラー映画にありがちな「ああいう感覚」をこのゲームでも思う存分満喫できます。
またこの作品はただクリアしても、全ての真相を知ることが出来るわけではなく、ネット上での情報を収集したり、ゲーム中に散らばる「情報の断片」をパズルのように組み合わせたり、最後は自分の頭で想像したり、要はあくまで真実「らしい」ことがわかるにとどまります。
そして最初はプレイできる「人間」も多いのですが、ゲーム進行に従って一人、また一人と「あちら側の住人」へと変貌していく。
その上多分、操作性も意図的に悪く作られています。そうすることによって「無双」スタイル防止を図っているのでしょう。
これら全てはプレイヤーを物理的にも、心理的にも孤独にすることを目的にしていると思われます。もちろん良い意味で。
現在でもゲーム実況にこの作品を取り上げる人が後を絶たないのを見ると、それだけの魅力がこの作品にはあるのでしょう。
未プレイの人は是非どうぞ。