アクタージュ act-age

アクタージュ act-age

『アクタージュ act-age』とは、原作・マツキタツヤ、漫画・宇佐崎しろによる日本の漫画。『週刊少年ジャンプ』2018年8号から2020年36・37合併号まで連載された。役者志望の女子高生、夜凪景(よなぎけい)が映画監督の黒山墨字(くろやま すみじ)と出会い、彼が率いる「スタジオ大黒天」に所属して、役者をめざし成長していく姿を描く。原作者が強制わいせつ容疑で逮捕され、その影響で漫画は打ち切りとなってしまった。ストーリーも絵柄も読者から高い評価を得ていた作品だっただけに、原作者の逮捕そして打ち切りの発表は、読者に衝撃を与えた。

8unaokisakaのレビュー・評価・感想

アクタージュ act-age
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鎬を削る役者達に捧ぐ漫画

今回紹介させていただく漫画「アクタージュ」は掲載元の週刊少年ジャンプらしく言えば「本格演技バトル漫画」。
しかし、その一言で片付けては行けないような奥深い構造を感じます。

主人公はちょっと変わった女子高生、夜凪景。
後に才能を見出され、天才女優と呼ばれるようになる天才少女です。
しかしこの天才……
物語の最初の俳優オーディションで

落ちます。

天才が大手芸能事務所の俳優オーディションに落ちます。
現実にもありますよね。
芸能人がここの事務所のオーディションを受けたけど落ちてしまい、もう1つ受けてみたら受かった!みたいな話。

なぜ?って思ったそこのあなた。
こちらの漫画読んでみていただくと「なるほど!」と思えると思います。
TVでよく観る、ジャ●ーズのアイドル達が何故「演技が下手」と言われてしまったり、「役じゃなくて●●くんのままに見える」と言われてしまうのか。
それも全部この漫画に描かれています。
そして、TVの向う側のジャ●ーズのアイドル達の役者としての在り方についても、納得できるような描かれ方をしているので、観方が変わるはずです。
夜凪景とスター俳優や一般的な役者の演技の違いの理論的説明が入り、演技経験者はもちろん、演技未経験者にも分かりやすい構造になっています。

他の役者に影響された夜凪景が成長していく描写や、ライバル達と演技をぶつけ合い、鎬を削る熱い描写には
胸が熱くなります。
そして、描かれるのは夜凪景という役者だけではありません。
色々なタイプの役者や、演劇や映画に使われる題材にも焦点を当て、それぞれの魅力も余すことなく伝えてくれます。
特に、夜凪景が舞台の主演に初挑戦するブロックの「銀河鉄道の夜」は必見です!!!!!

最後に。
タイトルにもなっている「アクタージュ」。
こちらの言葉、おそらく「アクター」と「モンタージュ」を組み合わせた言葉だと思われます。
「アクター」はご存知の通り「役者」。

では、「モンタージュ」は?
映画用語で、
「視点の異なるカットを組み合わせて用いる技法のこと」
「映像の組み合わせによって意味を表現すること」
だそうです。
(例えば、空っぽのお皿の映像の次に笑顔の人間の映像が出てきたら、「ご飯を食べて満足しているんだな」と解釈できるような効果のこと。)

【役者たちのモンタージュ】
別の役者から影響を受けた夜凪景
また、夜凪景から影響を受けた役者たち
を描いている「アクタージュ」という漫画。
これ以上ない、ピッタリのタイトルだと思いませんか?

演技や映画に興味がある方は是非読んでみることをオススメします!