ひろしま

ひろしま

『ひろしま』とは、1953年10月7日に公開された日本映画。関川秀雄が監督を務め、日本教職員組合(日教組)が製作を手掛けた。太平洋戦争末期の広島市への原子爆弾投下で爆した子供たちの手記集『原爆の子〜広島の少年少女のうったえ』を原作にしており、原子爆弾が広島にもたらした被害と、その後も続く被爆者たちの苦しみを描いている。出演者には岡田英次、月丘夢路、加藤嘉らが名を連ね、音楽を伊福部昭が担当した。
物語は、戦後7年が経過した広島の高校を舞台に、被爆による白血病を患った生徒たちの日常から始まる。授業で原爆投下を扱ったラジオ放送を聞いた女子生徒・大庭みち子が倒れたことをきっかけに、物語は1945年8月6日の広島へと遡る。原爆投下によって一瞬にして破壊された街と、家族や生徒を失いながら生き延びた人々の姿を描き、さらに戦後も「原爆病」と呼ばれた被爆者たちが病と差別、生活苦に苦しめられる現実を描き出している。
本作の大きな特徴は、原爆投下直後の広島を大規模な群集シーンによって再現した点にある。広島市民を中心に約8万8500人がエキストラとして参加し、被爆直後の街を逃げ惑う人々や救護所に集まる被爆者たちの姿を忠実に描写。撮影には広島市や現地の地元企業、労働組合、被爆者団体なども全面協力し、戦時中の衣服や防毒マスク、鉄兜など約4000点が市民から集められた。実際の被爆体験を持つ人々も少なくなかった時代に、広島の記憶を映画として記録しようとした作品である。
歴史的価値を評価される一方で、製作当時の社会状況や政治的背景から国内での上映機会が限られた時期もあったが、海外では称賛を集め、1955年には第5回ベルリン国際映画祭で長編映画賞を受賞した。原爆投下から年月の浅い時期に、実際の被爆者たちや広島市民の協力を得て、戦争の惨禍を直接的かつ大規模に映像化し、日本映画史に残る一本として長きにわたって語り継がれている。

dorodorof8のレビュー・評価・感想

ひろしま
9

戦争を知らない世代には必見の映画。

実際に広島で原爆の被害にあった方々もたくさん出演している、衝撃の作品。
原爆の被害を実際の体験者たちが渾身の演技で再現しているその様子には、日本人はもちろん、世界中の人が見るべきだと思わされます。本で読むよりもこんな風に映像として見せられるほうがより悲惨さや悲しさが感じられます。この作品作りに携わった方々の本気の想いが伝わってきて、胸が痛くなります。原爆ドームに実際に行ったことがあり、展示されていた生々しい資料も胸に刺さりましたが、この映画を見ると、あの生々しい資料が実際に起こったことであり、また実際は資料の何倍もグロテスクな光景だったのだろうと想像されます。
戦後日教組などの反対もありこの映画は長い間封印されていた(上映を拒否した映画館がたくさんあった)ようですが、戦争を知る世代がどんどん減っている今の世の中だからこそ、一人でも多くの人に見て欲しいです。
今でこそ原爆被害者は同情の対象ですが、敗戦後間もない時期には「原爆症はただの甘え」だとか「原爆被害者であることを売りにしている人たち」と考える人も少なからずいたことにも大変ショックを受けました。
出演者は8万人以上らしいですが、CGではなくすべてを人間で表現しているところも圧倒されました。