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面白きことは良きことなり
森見登美彦先生原作の小説のアニメ化作品で、物語の主人公はなんと狸!
京都を舞台に狸と天狗と人間が生きる様を描いた物語で、それがとにかく面白い。
狸が人間やら電車などに化けたり、船が空を飛んだりするので和風ファンタジー作品なのかと思いきや、森見先生の作品は「マジックリアリズム」というものに分類されるらしい。
ごく当たり前に不思議な出来事が起き、誰もかれもがそれを「当たり前」と受け入れる。
森見先生独特の古風かつヘンテコな言い回しも相まって、実に不思議な世界観となっている。
阿呆なドタバタ騒動がメインとなるのだが、物語の主軸となるのは「家族愛」。
主人公の狸たち四兄弟は周りから出来損ない扱いをされていて、それでも家族仲良く呑気に平和に暮らしていたのだが、父親の死をきっかけに関係に溝が出来てしまうのだ。
バラバラになってしまった家族。父親の死の真相。
次第に明らかになっていくそれぞれの思いと絆。
笑ったり泣いたりとにかく忙しいのがこの「有頂天家族」。
ちなみに私の一押しのキャラクターは次男、下鴨矢二郎。
彼は狸でありながらとある理由から長らく蛙の姿に化けていた為、元の姿に戻れなくたってしまったのだ。
狸なのに蛙。蛙なのに狸。
彼ら狸の言葉を借りると「面白きことは良きことなり」と言った感じだ。