新たな旅の始まり
一言であらわすなら、選択がテーマになる作品だと思います。カーズやインクレディブル・ファミリーでもそうでしたが、これまでの主役たちがその後をどう生きるのか。これまで主人公の全盛期をメインに描いてきたディズニー作品の大きな変化だと思います。
前作でこれまでの仲間たちと共にアンディからボニーへと譲られていったウッディでしたが、前の持ち主とは趣味が違うこともあり、アンディのおもちゃとしてリーダーだった頃とだんだん立場が変わっていき、仲間たちが遊んでもらうなか一人寂しくクローゼットで過ごすことになります。この姿は以前からのファンにとってはだいぶ切なく、前作までのおもちゃを大事にしてきた世界観がガラガラと音をたてて崩れていくのを感じました。そんな中、ボニーの手作りおもちゃフォーキーがボニーのお気に入りになりますが、自分がおもちゃではなくゴミだと考えている彼はことあるごとにゴミ箱に飛び込んで行ってしまいます。自身は遊んでもらえなくなったウッディはサポート役に徹するようになり、フォーキーにボニーのおもちゃのリーダーだという自覚を持たせようと奮闘し、その過程で様々な経験を積んで活発になった旧友ボーピープとの再開を通じて、ウッディの中で次第に「自分はどうありたいのか」という考えが変わってくるのが伝わってきました。賛否両論あると思いますが、彼らの新たな選択がうつるラストシーンはとても納得感のあるものだったと感じています。