トイ・ストーリー4 / Toy Story 4

トイ・ストーリー4 / Toy Story 4

『トイ・ストーリー4』(原題:Toy Story 4)は、ピクサー・アニメーション・スタジオが製作を手掛けた長編アニメーション映画。前作から9年が経過した2019年に公開された。元々『トイ・ストーリーシリーズ』は前作で完結する予定であったこともあり、日本では賛否両論である。一方全米では非常に高い評価を得た。
新しく仲間に加わったが自分はおもちゃではなくゴミだと言い張る「フォーキー」、そして子どもと遊ぶ役割を捨て自由に生きる元恋人「ボー・ピープ」との再会を通じて、自分がこれまで果たしてきたおもちゃとしての役割をウッディが考え直す姿が描かれる。これまでのシリーズ同様『トイ・ストーリー3』から引き続き登場するボニーのおもちゃたち、そして「ギャビー・ギャビー」などウッディ達が迷い込むアンティークショップのメンバーなど多彩で個性的なおもちゃが登場する。
もともと純粋なラブストーリーとして描かれること予定であった本作だが、『トイ・ストーリー』の産みの親であり、ピクサーの創設者でもあるジョン・ラセターの退社を受けて、「親の子離れ」をテーマにした作品へと変更された。興行総収入10億730万ドルを記録。

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トイ・ストーリー4 / Toy Story 4
9

新たな旅の始まり

一言であらわすなら、選択がテーマになる作品だと思います。カーズやインクレディブル・ファミリーでもそうでしたが、これまでの主役たちがその後をどう生きるのか。これまで主人公の全盛期をメインに描いてきたディズニー作品の大きな変化だと思います。
前作でこれまでの仲間たちと共にアンディからボニーへと譲られていったウッディでしたが、前の持ち主とは趣味が違うこともあり、アンディのおもちゃとしてリーダーだった頃とだんだん立場が変わっていき、仲間たちが遊んでもらうなか一人寂しくクローゼットで過ごすことになります。この姿は以前からのファンにとってはだいぶ切なく、前作までのおもちゃを大事にしてきた世界観がガラガラと音をたてて崩れていくのを感じました。そんな中、ボニーの手作りおもちゃフォーキーがボニーのお気に入りになりますが、自分がおもちゃではなくゴミだと考えている彼はことあるごとにゴミ箱に飛び込んで行ってしまいます。自身は遊んでもらえなくなったウッディはサポート役に徹するようになり、フォーキーにボニーのおもちゃのリーダーだという自覚を持たせようと奮闘し、その過程で様々な経験を積んで活発になった旧友ボーピープとの再開を通じて、ウッディの中で次第に「自分はどうありたいのか」という考えが変わってくるのが伝わってきました。賛否両論あると思いますが、彼らの新たな選択がうつるラストシーンはとても納得感のあるものだったと感じています。