ディープ・ブルー(1999年の映画)

ディープ・ブルー(1999年の映画)

『ディープ・ブルー』(原題:Deep Blue Sea)とは、1999年にアメリカで公開されたパニックアクション映画。監督はアクション映画を得意とすることで有名なレニー・ハーリン。興行収入は1.6億ドル。物語の主人公スーザンは、アオザメの脳を素材とするアルツハイマー病治療薬の開発を海洋上の研究施設アクアティカで行っていた。遺伝子操作を行った影響で脳が発達し賢くなった巨大ザメは、自らの考えを持つようになり、外界へ出て自由になるという目的のため、研究者や関係者たちを次々に襲撃する。

noasky19h8のレビュー・評価・感想

ディープ・ブルー(1999年の映画)
8

誰が死ぬのかわからないサメ映画

数だけはあるものの、あまりヒット作に恵まれないサメ映画界隈。そんなサメ映画の中でも、割と日本でも知名度があると思われるのが『ディープ・プルー』だ。
サメの脳細胞を利用してアルツハイマーの治療薬を作る研究所で、違法な遺伝子操作を施されていたサメが暴れ回る。アニマル・パニックものとしてはよくあるあらすじだが、本作の最大の特徴・評価点は、誰が死ぬのかわからない点だろう。「こいつ、すぐ死にそう」「これは死ぬ展開だろ」と思っても、それを裏切ってくるのだ。具体的には序盤のボードでイチャコラしているリア充とか、一人はぐれてしまったモブキャラっぽい黒人コックとか。特にコックに至っては、自分を襲ったサメを返り討ちにするという、普通の映画なら想像できない活躍ぶりだ。
実質主役であるカーターのかっこよさにも目が行く。最初はちょっといけ好かない感じのマッチョマンだが、いざ事件が起これば、仲間と協力して脱出を試みる。非常事態であっても周りに当たり散らすことなく、仲間と知恵を出し合って困難を乗り切ろうとする理性的な人物だ。さらに率先して身体を張る漢でもある。惚れてまうやろ。
とはいえ、本作にも欠点はある。最大の欠点は、製作側がヒロインとして配役したであろうスーザンの酷さだ。研究チームのリーダーで、一見すると理知的な美人なのだが、研究に固執するあまり、殺されそうになったサメを逃がすわ、サメに違法な遺伝子操作をして今回の騒動の原因を作るわと、癖のありすぎるキャラだ。脚本の都合もあるとはいえ、なんでこんなのをヒロインにしたのかと製作者に問いただしたくなる。
ともあれ、明確な長所・短所を持っている本作。このレビューで多少のネタバレはしたものの、それでもなお先の読めない展開があなたを待っている。ぜひ、この『ディープ・ブルー』の世界に、どっぷりと深く浸かってほしい。