冴えない彼女の育てかた / 冴えカノ / Saekano: How to Raise a Boring Girlfriend

『冴えない彼女の育てかた』とは丸戸史明による日本のライトノベルである。イラストは深崎暮人が担当している。ジャンルはラブコメディである。富士見ファンタジア文庫で2012年から2019年まで刊行された。アニメ化もされており、2015年から2017年までフジテレビで放送された。また、2019年には劇場版が上映され、約7億円の興行収入を売り上げた。その他、webラジオやゲームなど幅広いコンテンツに展開された。
この作品は、主人公の安芸倫也がメインヒロインの加藤恵やその他のキャラクターとともに自分たちだけのゲームを作り上げようとする姿を描いた青春ラブコメディである。学生が主役の一般的なラブコメディとは違って、学校内でのシーンはほとんどないことが特徴である。また、物語序盤ではメインヒロインと主人公の間での感情描写が少なく、主人公と他のヒロインとの関係性の進展が多いこともこの作品の特徴としてあげられる。
2020年には、ファンタジア文庫を代表する作品から選ばれたキャラクターが登場するRPGゲーム『ファンタジア・リビド』のサービス開始が決定した。これに伴い、『ファンタジア・リビド』に参加するキャラクターを選ぶ総選挙が行われた。多くの人気作品が名を連ねる中、『冴えない彼女の育てかた』からは加藤恵が5位に選出され、作品自体の人気の高さが明らかとなった。

kei_5546のレビュー・評価・感想

冴えない彼女の育てかた / 冴えカノ / Saekano: How to Raise a Boring Girlfriend
10

萌えとは何たるか

「冴えない彼女の育てかた」というタイトルから想像できるように、冴えない女子高校生がメインヒロインの話です。
オープンヲタクの主人公「安芸倫也」は、幼馴染で人気イラストレーターの「澤村・スペンサー・英梨々」、同じ高校に通う先輩で人気ラノベ作家の「霞ヶ丘詩羽」、そして、普段は冴えないが磨けば光る…と、倫也が感じたメインヒロイン「加藤恵」とともに、、自分の理想のギャルゲーを作るべく奮闘します。
アニメは、一つ目の作品をギリギリ完成させ、二つ目に着手するところまでで終わってしまいます。そこまでではメインヒロイン「加藤恵」の変化こそ感じますが、ほかのキャラの個性が強いため、まだメインヒロインとしては弱いと感じることもあるでしょう。実際、放送当時は「金髪ツインテール」「ツンデレ」な英梨々や、「黒髪ロング」「ヤンデレ」な詩羽、そのほかの個性豊かなキャラクターによってランキングなどではそこまで大きな差をつけられませんでした。
しかし、原作で描かれるその先のストーリーでは「加藤恵」が大きく変化し、萌えを演出する一つファクターとしての適度なエロがはじめて登場することにより、この作品のメインヒロインは彼女以外ありえない!となってしまうほどに萌え、身もだえることでしょう。
作者は、この作品に萌えの全てをつぎ込み、それを際立たせる為にストーリーを作り、無意味なエロを排除しました。なろう系との格の違いを見せつけてくれた最高の作品です。