無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 / Mushoku Tensei

無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 / Mushoku Tensei

『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』とは、理不尽な孫の手によるライトノベル。「小説家になろう」で2012年9月に連載を開始し、2015年4月で完結した。2020年にはアニメ化を果たしている。
現代日本に住む34歳のニート主人公。彼はある日、家族から家を追い出されてしまう。人生を後悔しながら路頭に迷うなか、トラックに轢かれそうになっていた高校生3人を助けようとして死亡するが、その後ルーデウス・グレイラットとして異世界に転生。今度こそ真面目に生きようと第二の人生に取り組んでいく。

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無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 / Mushoku Tensei
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「小説家になろう」5年連続1位を記録した魅力とは

「無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜」とは2012年より小説投稿サイト「小説家になろう」で連載され、2013年10月〜2019年2月まで小説家になろう累計ランキング1位を維持していた異世界転生ものの金字塔である。
なぜこの小説は数多ある異世界ものの中で人気が高いかというと、ストーリー構成やキャラ設定がしっかりされているというのは勿論のこと、登場人物の心理描写が細部まで表現されているというのが大きいのではないだろうか。
例えば主人公の「人を殺してしまった時の心理描写」である。異世界ものの主人公によくあるパターンで、何の苦悩もなく、敵を倒して自分の強さを誇示することで格好良さを表現する作品がよく散見されるが、本作は人を殺してしまった時の「不安」「恐怖」「罪悪感」などが事細かに描かれている。人間の負の感情を見せずに美しい箇所だけを表現する作品が多い中、それとは対照的に異世界という非現実の物語でありながら、深いリアリティをうまく表現している作品と言えるのではないだろうか。
また、主人公を含めた登場人物に完璧な人間はほとんど存在せず、性格的に何かしらの欠点を抱えており、それがまた「人間らしさ」を感じる良いアクセントになっているように思われる。
2021年にはアニメ化もされているため、機会があれば是非視聴してみてはいかがだろうか。