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東村アキコさんの自伝的マンガ
「かくかくしかじか」というマンガは、漫画家の東村アキコさんの高校生時代や大学生時代、大人になってからの漫画家生活などを描いたマンガです。主人公は東村さん自身になるのですが、作者が主人公でしかもそれをマンガにしてしまうところが面白いですし凄いところです。少女時代はマンガが大好きな少女だったようですが、好きすぎて買った漫画雑誌をベッドにして置いておく(雑誌を敷き詰めてそれを土台にして)ほどだったようです。割と話の前半部分はコミカルな感じで笑える内容も多いのでとても面白いですし、美大・芸大を目指したことのある人やそれに興味のある人などはさらに面白く読めると思います。東村さん自身が割と真面目すぎないユニークな人で、若気の至りというか失敗や困難をネタにしてしまうところがたくさんあって、こんな人もいるんだという意味でも稀な人だと思いました。後半は、割としんみりした内容もあったりで物語の奥行きが増すのですが、前半部分の明るくコミカルなだけではないところも相まって心にじんわりくるものがあります。大人になってから色々わかっていなかった子供の頃のことを思い出してしんみりする感じと少し似ていて、大人が読んでみる方が何か来るものを感じやすいのではないかと思われました。