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実は面白いサイバーパンクSF映画
キアヌ・リーブスと北野武の出演するSF映画です。スターの共演、サイバーパンクSF作家として名高いウィリアム・ギブソンの原作・脚本、現代芸術家のローバート・ロンゴの初監督作など、期待値の高い作品でしたが、結果的にはなぜかB級映画っぽい仕上がりになってしまいました。
それでも、電脳空間を可視化したガジェットをキアヌ演じる主人公が駆使したり、電磁波による環境汚染で病気が蔓延するという近未来ならではのあり得そうな怖い設定があったりと、面白い要素はたくさんあります。映像がどこかチープな感じになってしまっているのは否めませんが、ストーリー自体は興味深く、観客に訴える物があってとても良く出来ていると思います。ただ、ナイトクラブや日本のヤクザ、インチキ宗教家など、ダークな要素が多く、グロいシーンもあるので苦手な人にはオススメできません。しかし、サウンドトラックも格好いいし、サブカルチャーやサイバーパンクが好きな人なら楽しめそうです。また、日本人としては北野武の活躍が気になるところですが、とても良い役どころで、他とは違う圧倒的な存在感を示していました。
ハイテクな技術に頼っている近未来の住人達ですが、最後に頼りになるのは人間の作った進化したテクノロジーではないというのが、この映画を観て考えさせられるところです。ハイテク社会に対抗するローテク軍団の活躍も見どころです。