深く考えさせられるゲーム。
主人公は警察官と共に働くコナー、子供アンドロイド、男性アンドロイドと共に「家族」をつくるカーラ、他のアンドロイドと共に革命を起こすマーカスの3人です。
とっさの反応や2択〜4択から行動を自分で選ぶことで、主人公が死んだりストーリーが変化する緊張感のあるゲームです。それを盛り上げるBGMも壮大なものや無機質なものなどシーンに合ったもので気分が高鳴ります。
カーラ編では1台のアンドロイドが1人の母親になっていく様子が描かれています。倫理的に正しいことをするべきなのか、子供を守るべきなのか。アンドロイドとして正しいことをせずに犯罪行為や自分の命を脅かす選択をするのは正しいことではないけど、この子を守るためにはそうせざるを得ないという葛藤が伝わってきます。物語の中で1番苦しい立ち回りをしている人だと思います。
マーカス編は人を導く人の心の中を覗くことが出来るパートだと思います。仲間の中で意見が対立した時どちらを優先するのか、そしてそれが恋人と仲間の2択だった場合はどちらを優先するのか。自分の命を犠牲にしても仲間を守ったり、危険な行動や最前戦で行っていくうちにカリスマ性が高まる人だと思います。アンドロイドの権利を認めさせるために人間に歯向かう場面では、暴力的な解決ではいずれ破滅を招き、平和的な解決が長期的に見れば最前の判断であるのかもしれないと思いました。
コナー編は唯一変異(人間のような心を持つこと)がシナリオ中で決まっていないキャラです。「警察」である以上情で許したり理不尽な行為は許されない。しかし堅苦しい関係ではアンドロイド嫌いのパートナーの心を理解することは出来ないという不安定な場所にいる人です。犯人逮捕を優先するのかパートナーの命を優先するのか。まるで「正しい」だけの人間は人間ではなくロボットの様ではないかと問われている気持ちになりました。変異するルートの最後に、パートナーであるハンク警部補と気持ちが通じあったシーンはとても感動しました。
近い将来自立型のAIが搭載されたロボットが街を歩く時代が来ると思います。その際に我々人間はアンドロイドの権利をどこまで認めるのか、という観点でも面白い作品だと思いました。