女子高生と殺人鬼が入れ替わる新感覚ホラー
内気な女子高生と凶悪な殺人鬼が入れ替わる新感覚ホラー映画です。スラッシャー・コメディに分類されるこの映画は殺人鬼の豪快な殺しっぷりとコミカルな描写のギャップを楽しむ作品になっています。
監督がインタビューで「エルム街の悪夢」や「13日の金曜日」の要素を取り入れたと語っていましたが、焚火を囲んで怪談話をする浮ついた男女のシーンで始まるという露骨っぷり。知っていれば思わずにやっとしてしまうオマージュが随所に散りばめられており、スラッシャー映画好きにもおすすめできます。
この映画の肝はなんといっても中身が女子高生のおじさんです。内股で走るおじさん、へっぴり腰のおじさん、悲鳴をあげるおじさん……。外見は間違いなくおじさんなのに、そのしぐさは女子高生です。シュールさに笑っていられるのは最初のうちだけ。いつの間にかかわいく見えてきてしまうはずです。
おじさんと入れ替わったまま想い人と急接近してしまうシーンはそこだけ切り取ってしまえばギャグですが、外側ではなく主人公の中身を見てくれる人がいること、人はちょっとの自信と勇気で踏み出せるということを表す素敵なシーンでもあります。
ホラーと青春が絶妙に配合されてコメディに昇華された、新しい発想の映画です。ちょっと血飛沫は飛びますが、断面や中身の出ない程度なので大丈夫なかたはぜひ見てみてください。