愛してるより尊い言葉
住野よるのデビュー小説をアニメ化した作品。2017年には浜辺美波・北村匠海ら出演で実写映画化もされている。
クラスメイトの誰とも関わろうとせず、いつも本を読んでいた地味なクラスメイトの「僕」は、病院で『共病文庫』という本を拾う。その本の持ち主は明るく、クラスの中心にいる自分とは正反対の山内桜良の持ち物だった。彼女の秘密を知った僕の生活は、微妙な変化を遂げていく。
実写映画も観ていたが、これは現在の僕の視点で描かれる等、原作とは大きく異なるストーリーだった。
アニメ版はどうなるのかと胸を膨らませていたが、ほぼ原作に沿ったストーリーだった。
それだけでなく、最後の『共病文庫』を僕が読むシーンでは、桜良の大好きな本である、『星の王子さま』の世界観の中、僕と桜良が対話するという、アニメでしか表現できない方法が取られていた。
また、原作にはなかった花火のシーンは、映像をsumikaの楽曲が彩り、この映画で一番印象に残るものとなっている。
『君の膵臓をたべたい』タイトルのインパクトが強い作品だが、最後まで観るとこの言葉の意味が分かる。
「僕」と桜良だけが分かる特別な言葉。友達とも恋人とも言い表せない二人の関係。この言葉は好きや愛しているより尊い。