人形の国

人形の国

『人形の国』とは2017年4月~2021年10月まで『月刊少年シリウス』に連載された弐瓶勉の描くSFダークファンタジーである。人工天体アポシムズという超構造体の殻で覆われた極寒の地表で、主人公であるエスローは特殊な弾丸「AMB」を手にしたことにより、リドベア帝国に狙われ謎の自動人形であるタイターニアと旅をすることになる。エスローはやがてアポシムズの因果に関わることになり、地表人の重要な存在として皇帝スオウニチコと対峙する。難解な考察により読者を選ぶが、雰囲気と世界観からファンも多い。

yusukemiyazaki21u8のレビュー・評価・感想

人形の国
6

「シドニアの騎士」と「BLAME!」好きにはたまらない

私は弐瓶勉(漫画家)の作品の中で、「シドニアの騎士」と「BLAME!」を読みました。
人形の国はシドニアとBLAME!の世界を合わせたような作品で、「エナ」「モリト」「超構造体」といった単語が出てきます。
考察サイトなどを見てはいないので、時系列は読んでいる限りでははっきりしない感じはしました。
シドニア・BLAME!は人VS機械・奇居子ですが今作では人と人とが争います。

・面白かった点
作品を通してほとんどずっと戦い続けていて、見どころばかりでした。
所々日常シーンはあり、仲間同士のやり取りも面白かったですが常に追われる身、追う身である為基本的には戦い続けます。
エナ・モリト・超構造体といったシドニア・BLAME!で登場したものが今作でも見れるので、弐瓶勉好きにはたまらない作品となっていると思います。

・いまいちな点
仲間だけでなく敵陣営にも魅力的なキャラクターが多いのですが、人物像の深掘りが少なく、キャラによってはあっさり逝ってしまいます。
作品終盤には物語が駆け足で進み、敵も味方も駆け足で逝ってしまいます。
制作側の都合が大いに反映されてる感があったのを感じました。

・総評
最終巻を読み終わってみるとあっけなく「もう終わりかぁ」という感想しか出なかったです。
しかし作品を振り返ってみると材料は出尽くした感はありましたし、変にダラダラ進行するよりかは、すっぱり切ってもらった方が新刊を待つ身としてはありがたい気持ちもありました。
戦闘シーンの出来も弐瓶勉らしさもあり素晴らしく、弐瓶勉ファンなら間違いなく読む価値のある作品だと思います。