サレタガワのブルー

サレタガワのブルー

『サレタガワのブルー』はセモトちかがスマホアプリ『マンガMee』にて2018年から連載しているフルカラー不倫漫画である。2021年には単行本が発売され、注目を集めている。2021年7月にはMBS・TBS系にてドラマ化が発表された。主人公である田川暢は妻の藍子と幸せな日々を送っていたのだがある日藍子の不倫に気づき、真実を確かめていく中の苦悩や不倫された側の辛さをリアルに描いた作品だ。「読めば必ず不倫したくなくなる」とSNSでも注目を集めている。

hajime_kuri9のレビュー・評価・感想

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サレタガワのブルー
7

不倫を美化しないリアルな漫画

不倫を題材にした創作物はたくさんあるけれど、その中でも異色を放つ漫画。不倫を「されている側」に視点を置いているため、不倫イコール純愛といった作品とは対象的なもの。全くもって不倫を美化していない漫画である。そのような作品はなかなか見たことがなく、不倫ジャンルの中でも新鮮さが感じられる。この手の作品は、読んでる途中で気持ちが沈んでくることもあり最後まで読めないこともあるがこの漫画は違う。最悪な状況でも、くすっと笑えるようなセリフ運びが非常に上手いので、読んでで胃もたれすることがない。テンポよく話が進んでいくストーリー展開も読みやすい。された側のキャラクターたちの人間性が良く、応援したくなる気持ちを徐々に湧き、感情移入して読み進められるのもこの作品の良いところ。とことん、された側の視点を大切にする漫画であるため、不倫被害者に寄り添った漫画である。離婚まで進めるにあたって、不倫を認めさせるための情報収集の仕方や、慰謝料のとり方、相場の金額まで、この漫画一つで学べてしまうくらいリアルなやり取りが上手く描写されている。この漫画の面白いところは、不倫された側に重きを置いた漫画ではあるが、不倫した側の心情や離婚後の悲惨な生活も描写しているため、読めば読むほどにスッキリする。不倫ジャンルはドロドロして苦手、重たくて嫌という方に是非おすすめしたい漫画だ。