ONE先生の隠れた名作
この作品は超能力をモチーフにしたコメディバトル漫画で主人公は最強の力を持っていながらそれをコンプレックスと認識しているのが特徴です。
主人公である影山茂夫(かげやましげお:以後、茂夫)は「霊とか相談所」という怪しい事務所でアルバイトをしています。所長は霊幻新隆(れいげんあらたか:以後霊幻)、後の記述しますが一風変わったエセ霊能力者、すなわち詐欺師です。霊幻は茂夫のことをモブというあだ名で呼び、自信を「今世紀最大の霊能力者」ということで言いくるめ、茂夫の超能力を利用して除霊依頼を解決していきます。
これだけ聞くとただ都合よく他人を利用しているだけの最低な男と思うかもしれませんが、実はかなりの人格者で茂夫が超能力について悩んでいる時も積極的に励ましたり、超能力は人に対して絶対に使うな、と超能力に対する意識を説いたりしています。
普段は温厚で大人しい性格をしている茂夫ですが小さなストレスが積み重なっていく事にパーセンテージが上昇していきます。作中ではこのパーセンテージが100%になると茂夫は完全覚醒し、超能力の本来の力をを最大限に使用することができるようになります。作中では何度も100%に到達していますが、1度100%になり戦いが終わるとカウントはリセットされ、再び0からカウントを始めます。100%になる、という工程を踏むことで主人公の感情の変化を上手く描いていると言えるでしょう。
また、茂夫の意識が本人の同意無しで強制的に飛ばされた場合???%になります。この状態では茂夫の意識が一切なく意識を失う直前の目的のみを引き継ぎ目的を達成するまでは絶対に止まらない危険な状態です。作中時間で平均1分から3分ほどこの状態になり、???%が終了すると茂夫は涙を流しながら後悔するシーンがいくつもあり、力の恐ろしさを改めて理解する茂夫の表情があります。
暗い話続きですがもちろん笑いの要素もあり、中でも霊幻の必殺技は独特で視聴者の腹筋を破壊しにいく勢いです。中でもテレビアニメの2期に登場する「正当防衛ラッシュ」はファンの間でもかなり人気が高く、ここで出てくるのかと衝撃と笑いを与えてくれます。
モブサイコ100のストーリーは全体的に見てもかなり予想な展開を繰り広げ、読者の感性を思う存分ゆすぶってくれる作品です。絵柄は独特なので苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、機会があれば是非読んで欲しい作品です!!