ストーリーには期待しちゃいけない作品です。
分類的にはミステリーになるのでしょうが、ハラハラドキドキの謎解きを楽しみたい方にはお勧めしません。ミステリーの度合いでいうと、コナン君よりももっと小さい子向けかもしれません。
邦題に追加された「美少女」の三文字がこの映画の全てです。主人公のナンシーがもう、ひたすら可愛いです。ただそれだけの映画です。
原作は古い児童書のシリーズで、作者や書かれた時代もそれぞれ違うため、少しずつ使用している道具や環境に違いがあるようです。本作の舞台は現代のアメリカです。しかしナンシーは「母親の服の型紙から起こした服を着ている」という設定なので、主に1950年代を基調としたファッションを着用しています。これがまたとにかく可愛らしい。古いのはわかるのですが、その古さを感じさせないよう絶妙にアレンジされています。ナンシーはおしゃれな女の子なので、そんな素晴らしいファッションの数々をシーンごとに次々と披露してくれます。映画なのにファッションショーをみているようです。
児童書が好きなので、キャラクター設定や展開に、子供の頃に読んだほかの本を思い出し懐かしくおもいながら観ていました。
またこの児童書は女の子向けの本なので、恋愛要素も描かれています。しかし恋人未満の幼馴染はあまり出番がなく、冒頭にちらっと姿を見せたあとは退場し、また途中からひょこっと出てきて、事件解決前にさっさと故郷へ帰ったあと最後にちょこっとだけの登場です。その辺りの中途半端さ加減にはもやっとするものがあるのですが、エンドロールに流れる歌は彼の恋心を歌ったもので、こちらはいい感じにアップテンポで切ない歌詞が素敵です。