大好きな妻だった

大好きな妻だった

『大好きな妻だった』とは、武田登竜門による日本の読切漫画作品である。双葉社のウェブコミック配信サイトであるwebアクションにて2021年9月17日に公開され、同年9月21日に単行本が発売された。全4話構成。
本作は、それまで漫画執筆の経験がなかった著者が2018年から創作を始め、商業誌デビューを果たした記念すべき作品である。物語は高橋昴と千香という仲睦まじい夫婦の間に起きた出来事を軸に、夫婦の絆や愛のあり方を描いている。新人離れした高い構成力や緻密な筆致、独自の表現力が業界内外で大きな注目を集め、夫婦の過去や出会いに思いを馳せさせる重厚なヒューマンドラマとして評価を得ている。
著者の武田登竜門は1993年生まれの漫画家。ほかの代表作に個人誌発の長編『BADDUCKS』や短編集『あと一歩、そばに来て』、初の商業連載作『DOGA』などがある。

inuyamanekotaroのレビュー・評価・感想

大好きな妻だった
10

史上最強の泣ける短編漫画

近頃インスタグラムなどの広告でよく見かけるので購入しました。短編漫画なのでさくっと読んでみようと軽い気持ちでしたが、読了後そんな軽はずみな気持ちで読み始めた自分に大後悔です。こんなに泣けるとは、まさか予想もしませんでした。

余命宣告を受けた妻の優しい嘘とその現実を受け止めようとする真っ直ぐな夫、本当に素敵な物語でした。短編漫画なので妻が元気だった頃の描写はありませんでしたが、不思議と仲睦まじかったであろうふたりが容易に想像出来てしまいました。だからこそ病気になって夫への態度が急変した妻の姿はとても心が痛く、それでもその妻を全力で受け止めようとしてる夫の姿に心打たれました。

短編漫画でありながらここまで登場人物の心情や状況を読み手に想像させるなんて、本作品の作家のスキルに思わず脱帽してしまうこと間違いなしです。
この手の広告漫画は過激な性描写があったり、流行りの不倫モノであったり、後味の悪い作品が多い中、こんなにも読者の心を揺さぶりまた号泣させてしまうなんて唯一無二の作品ではないかと思います。結婚してなくとも例えば自分の親、兄弟、友人に対する愛情や本当の優しさについて真剣に考えさせられる作品です。