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最後は観る者に任せる映画
福山雅治演じる絵に描いたような幸せなエリート家庭を妬み、離婚したばかりの女性看護士は出産したばかりの子供をワザと取り替えます。
看護士はとんでもない、取り返しのつかない事をしたのですが、そこにはあまりスポットが当たってません。
子供が本来の状態に戻し、試しに一緒に生活したり試行錯誤をします。
普通ならドロドロ滋賀血のストーリー展開ですが、比較的淡々とドキュメンタリー風にストーリーが進んでいきます。
取り換え先のリリー・フランキー一家は経済的に恵まれていなく、街の小さな家電店を営みながら自由奔放に生活しています。
見栄やプライド、エリート家庭の福山雅治一家より金は無くても元気で明るく家族みんなで生きるリリー・フランキー一家の方が幸せそうに見えます。
この対比が映画の肝になっています。
リリー・フランキーっていつも飄々としていて掴みどころがないのですがいい役者さんです。
こんな境遇でもそれを甘んじて受け入れる基本みんないい人で安心して観えました。
是枝監督らしく映画の最後は、2つの家庭がこれからどうするのか想像してもらうかのように観る者に丸投げして終わります。
成長、葛藤、苦悩、触れ合い、こだわり人間ってなんだろう、幸せって何だろうと考えさせられました。