犠牲あっての幸せ
他のロボットアニメや戦闘アニメであれば主人公側が勝ってハッピーエンドというのが多いことに対して、この作品は主人公の親や仲間が次々と戦死していく。終盤まで生き残った仲間も結局命を落としてしますというのはもうこのアニメでは当たり前のこと。なので主人公だから必ず勝つ、死なない、生きて帰ってくる、ヒロインと幸せになるといった王道シナリオが裏切られてもまったく不思議ではない。そのため見ていて主人公や仲間が勝つことが出来るのか、生き残ることが出来るのかというドキドキ、ハラハラを毎回の話で味わうことが出来る。いつ主人公側から犠牲が出てもおかしくないという世界観はこれまであった「結局は主人公側が勝つんでしょ」というあらゆる作品に当てはまる常識、思い込みを根本から覆してくれる、そしてだからこそ自分たちの勝利や幸せな生活は仲間が闘い、そして犠牲になったことで得られた物なのだと実感することが出来るのである。登場人物Aといった一般人の死ではなく重要人物が次々と命を落としていくストーリーに命の儚さや残酷さ、しかしその世界で生きていこうとする必死さが他の作品とは比べ物にならならいレベルで伝わってくるのである。こう考えてみて欲しい、私たちの平和な生活の背景には戦争があり、我々が平和に生きていられるのは戦争で何人もの人が戦ってくれたことで実現していると。命の儚さを感じることが出来る最高の作品である。