バチバチ

バチバチ

『バチバチ』は、佐藤タカヒロによる相撲漫画である。大相撲を題材としているシリーズ作品であり、第1部『バチバチ』が2009年24号から2012年19号まで、第2部『バチバチ BURST』が2012年25号から2014年36+37号まで、最終章『鮫島、最後の十五日』が2014年50号から2018年33号まで連載された。作者の佐藤タカヒロが2018年7月3日に急逝したため、2018年33号掲載の第176話をもって『鮫島、最後の十五日』は未完のまま最終回を迎えた。単行本は、『バチバチ』が全16巻、『バチバチ BURST』が全12巻、『鮫島、最後の十五日』が全20巻刊行されている。

go-1059871105227173948932のレビュー・評価・感想

バチバチ
10

相撲が題材のハートフル漫画

まず相撲を題材にした漫画は中々ないと思います。スポーツ漫画によくある勝敗要素というのはありますが、この漫画では側面に位置するものとなっています。柱となっている要素は単純明快で、「人としての生き方」です。
スポーツをする上で選手寿命は常に並走しています。その中でこの『バチバチ』という作品は、「寿命に抗う」という視点を大事にして登場人物それぞれの抗い方を随所で描いており、その時々で心が鷲掴みされます。抗うので全てがグッドエンディングではありません。逆に寿命が短くなるケースもありますが、結局人としての生き方に繋がるというシナリオ構成はこの漫画の醍醐味であり、心を簡単に通り越し魂を揺さぶります。
一番の見どころである阿形と吽形の闘いを是非見てほしいです。少しネタバレになりますが、阿形と吽形は同門でケンカしながらも支えあう仲間であり親友でした。吽形はある取り組みで足に大怪我をして大きく選手生命が削られます。体をケアしながら吽形は一心不乱に勝ち星を積んでいき、故障の原因となった相手を倒し十両も決定的となりました。全勝で勝ち進んだ千秋楽の取り組み相手は…故障した後ずっと、口には出さなくても一番に応援してくれてた阿形です。吽形は自分の引退を考える上で「最高の舞台が出来上がった」と考えました。「全力で戦う」と。一方の阿形は、身近で故障に苦しむ吽形をずっと見ていました。勝たせてやりたいのと同時に負けたくないという気持ちが入り混じります。果たして立ち合いの結果は…!!
この漫画を知ったことで全てが満たされました。是非見てみて下さい!必ず間違いは起きません。正しく純粋に感動を覚えるはずです。