葛藤を抱え、それでも前に向かう青少年たちが、パリにたどり着くまでの物語
こちらは、講談社の週刊マガジンで2017年5月から2021年7月まで連載されたコミックスです。作者は猪ノ谷言葉先生で、可愛らしくも力強い絵柄で、作画には不思議な吸引力があります。
『ランウェイで笑って』は、少年漫画でありながらもファッションのジャンルに分類されます。ファッションデザイナーを志す少年とトップモデルを目指す低身長の少女が、共にパリコレに向かうまでの物語です。シリーズ累計は、2021年7月時点で320万部を突破しています。2020年の1月からアニメも放映されました。
ここから少し、内容にも踏み込んでいこうと思います。
主人公は、モデル事務所ミルネージュの社長令嬢である藤戸千雪と、その同級生の都村育人です。千雪が低身長でありながらモデルを目指し、オーディションに合格するために自分に合った服を探している時、二人は出会います。素人ながらも輝くものを持っていた育人が作った服を身に着け、審査員に「魅せる」ことでついに千雪はモデルとしてデビューすることになります。それと同時に育人もファッション業界に入っていきます。そんな二人が高みへ行くまでの物語です。
見どころは何といっても、実在のファッション業界が監修する作中のファッションではないでしょうか。どれも奇抜でかっこよくて、わくわくしてしまいます。
千雪が「魅せる」時の、雰囲気の描写もかっこよくて引き込まれてしまいます。
本作品は、ファッションという今まで少年漫画では取り上げてこられなかった部分の作品ではありますが、その内容は王道と言っていいでしょう。