日常にありそうでない日常が起こる作品
ネタバレを含みます。
高校最後の春休みに吸血鬼に襲われ、不死身となった阿良々木暦が主人公。同級生や後輩に憑いた「怪異」(神様のような現象のような幽霊のような曖昧なもの、だけれどそこにいることでよくないことが起こるもの)と戦い解決していく物語です。正義感のかたまりのような阿良々木君ですが、何も考えず救うのではなく、その人にとって何が大切か冷静に判断しながら解決していきます。阿良々木君は「勝手に一人で救われただけ」と口癖のように言いますが、客観的意見の中にもどこかほっとけない正義感があり、周りのキャラクターがどんどん引き込まれていきます。怪異に出会ったことで変わろうとしていく人間模様にとても魅力を感じますので、よかったら見てみてください。
哲学的な文章が書かれているので、少し堅苦しく感じてしまうかもしれません。ですが、読み終わったあとで「実は周りの説明がつかない現象は怪異のせいなのかな」と錯覚するような不思議な感覚にとらわれます。他のシリーズも読んでみようとついつい手に取ってしまう中毒性のある作品だと思います。
シリアスな展開がメインで続いていきますが、阿良々木君の恋模様や阿良々木君を通して恋バトルが繰り広げられたりとラブコメ的要素もあるので、飽きずに読めるのではないかと思います。