4人が描く無限の虹
多くのバンドは、メンバーの一人が作詞作曲を担当することが多い。もちろん例外はあるだろうが、作詞作曲を担う人間以外のメンバーによって作られた楽曲は、どうしてもそのバンドの持つカラーから外れがちだ。それは、一人が作詞作曲を担当することによって、そのバンドのイメージがある程度固まってしまうからだ。
ところがL'Arc〜en〜Cielというバンドは違う。メンバー全員が作詞作曲をする。こういったバンドは珍しいのではないだろうか。4人の人間が集まり1つのバンドとして存在してはいるものの、1人1人が独立しソロでも活動できるほどのポテンシャルを持つが故に、その楽曲は多様性に富んでいる。耽美なものから底知れないほどダークな曲が奏でられたかと思えば、切ないバラードやハードなロック、ポップで馴染みやすい曲までと、その楽曲の振り幅は計り知れない。また、多くの作詞はボーカルのhydeによるものだが、全員が作曲をすることで生まれる多様性のおかげで、hyde以外のメンバーが作詞をした曲でも特に違和感を感じることはない。
華やかなヴィジュアルに甘えることなく、それぞれのメンバーがミュージシャンとしてのレベルの高さを遺憾なく発揮している。彼らの紡ぐ楽曲は、バンド名である虹が描く7色には収まらない程に多彩な色を纏っている。