夢(映画)

夢(映画)

『夢』(ゆめ、英題:Dreams)とは、1990年に公開された日本とアメリカ合衆国の合作映画である。監督および脚本は黒澤明が務め、黒澤プロダクションが製作を手掛けた。自身が見た夢を基にした個人的な題材に基づくオムニバス映画であり、「日照り雨」「桃畑」「雪あらし」「トンネル」「鴉」「赤冨士」「鬼哭」「水車のある村」の全8話から構成される。黒澤を深く敬愛するスティーヴン・スピルバーグの協力を得て、ワーナー・ブラザースを通じて世界配給が行われた。
本作の製作にあたり、黒澤明は1986年から単独で脚本執筆を開始した。国内での資金調達は困難を極めたが、スティーヴン・スピルバーグの働きかけによりワーナー・ブラザースが世界配給権を獲得し、制作が実現。特撮技術にはジョージ・ルーカス率いるILMが参加したほか、黒澤作品として初めてハイビジョン合成技術が導入された。また、「鴉」に登場するゴッホ役として映画監督のマーティン・スコセッシが出演したほか、「トンネル」の軍装監修には本多猪四郎が携わった。
1990年5月に開催された第43回カンヌ国際映画祭にてオープニング上映が行われた後、日本国内でもロードショー公開された。作品に対する評価は高く、第64回キネマ旬報ベスト・テンで日本映画ベスト・テン第4位に選出されたほか、日本アカデミー賞においては音楽賞を受賞し、作品賞や監督賞を含む多数の部門にノミネートされた。国外においてもゴールデングローブ賞外国語映画賞にノミネートされるなど、国際的に高い支持を得た。

ウルムナフのレビュー・評価・感想

夢(映画)
10

自分が1番好きな映画 黒澤明の『夢』

まずこの映画の素晴らしい所は必ず「美しい」ことです。どの場面のどのシーンを切り取っても「絵になる」のはすごいことだと思います。
この映画を日本人として日本語でしっかり見られるというのは幸せなことだと思います。8話のオムニバス形式になっているので見る人それぞれ好きな話、嫌いな話は出てくるでしょう。私が好きなのは「第1話/日照り雨」、「第2話/桃畑」、「第4話/トンネル」、「第8話/水車のある村」です。「日照り雨」の狐たちの一糸乱れぬ動き、「桃畑」のリアル雛人形(リアルで再現しようと思う発想もすごいし、実際に行動して作り上げてしまう財力、才覚もすごい)、「水車のある村」の心に染み入るような平和な村の描写、いずれも黒澤明の「異様な」こだわり方が伝わります。
このような映画を撮るのは、今の状況では経済的にも人間的にも不可能だと思います。私は見ている映画にCGが使われていると途端に冷めてしまうたちなのですが(気づかないようにやってくれればOK)、「第5話/鴉」では一部そのようなエフェクトが使われています。その部分は「?」でした。しかしその他は完全に大満足でした。出ている俳優たちもいい味が出ています。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、見るなら何かをしながらではなく画面と向かい合って、映画と向かい合って見ていただきたい作品だと思います。