たかが青春ギャグ漫画のレベルではない
初めて手に取ったのは高校生の時だ。高校生というのはメランコリーな時期で、わけもなく虚しく、孤独で、でも仲間と笑っていたいと思う。いつも何かに甘えているのに、敵なしだと思っている。それが僕らの時代の高校生像だ。
『今日から俺は!!』の主人公2人、三橋と伊藤の魅力はそんなリアルな高校生像のように芯がないところだと思う。
「今日から俺は変わる」と言いながら思いっきり外見から入る芯の無さ。それがまさに高校生のリアルを描いていて、漫画なのに鏡で自分を見ているような親近感が湧く。
喧嘩は強いが簡単に揺れるし、簡単にブレるし、簡単に裏切り、そして結局は友情を守る。高校生の心の弱さをコメディタッチで描く技術は見事すぎる。
コメディの部分に関しては、クスクスというレベルではなく本当にお腹から声を出して笑うレベルだ。なかなかそれだけ笑う漫画もない。
そして最後に力説したいのは、ヒロインの理子ちゃんだ。男の青春を描く上でかわいい女の子の存在は欠かせないのだが、僕の漫画人生の中ではダントツ一位のかわいさである。イタズラ好きでお茶目、天然ボケだけど芯が強く、合気道の使い手で本当に強い。印象に残ってる場面は、三橋が縛られて困っているのに理子ちゃんがお茶目にいたずらをするシーンだ。その茶目っけが本当にかわいい。
また青春に帰りながら読みたい漫画だ。