絶対に、当たり前の毎日が愛おしくなる『よつばと!』
当たり前の日常が、尊くて愛おしいーー。私はこの作品を読んで、そんな風に思った。
この作品の主人公は、元気いっぱいな5歳の女の子よつば。そんなよつばと一緒に暮らす父・とーちゃん、そしてその周りの人たちとの楽しくて温かい毎日を、ゆっくりと綴った日常系マンガである。キャッチコピーは「いつでも今日が、いちばん楽しい日」。
話は、よつばととーちゃんが引っ越してくるところから始まる。そこから、隣に住む綾瀬一家や、とーちゃんの友達のジャンボややんだ、町の人たちなど、数々の魅力的なキャラクターと関わっていきながら、よつばが少しずつ成長していく。
マンガを読み進めていくと、よつばがほんの少しずつだが成長していく様子がよく分かる。時間を重ねるごとに段々とよつばが女の子らしくなっていったり、5歳なので小学生になることを意識していったりなどの様子がほほえましい。周りの人たちも、よつばを過度に子ども扱いしたりせず、対等に関わる姿が印象的だ。
また、マンガの中では登場人物の細かい表情や背景などが、丁寧に描き込まれていることも魅力の一つである。
日常系マンガかつ、基本的に1話完結で終わる作品ではあるが、きちんとストーリーが続いていることも他の作品とは少し違う点であると考えられる。例えば、牧場に遊びに行く予定だった日によつばが熱を出して1日お休みする話がある。タイトルは「よつばとねつ」であるため、メインは「熱を出したこと」を描きたいのかと思うが、その後日、ちゃんと牧場に行く話が描かれるのだ。物語、よつばたちの生活がきちんと続いていることが分かる。
読み出すと、よつばの生活を体感してほっこりした気分になる。ぜひ、心温まるよつばの日常を覗き見てほしい。