Bullet for My Valentine / ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン / BFMV

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Bullet for My Valentine / ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン / BFMV
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今だからこそ聞きたいマスターピース

ギターをかき鳴らし、頭を振り回し、汗を飛び散らせて大声で歌う。J-POPが盛んだった2000〜2010年代前半と比較して、2010年代後半からはこんなハードな音楽が日本では盛んになった。所謂メタル、こと日本ではJ-ROCKと呼ばれるジャンルの台頭だ。それまでの日本では「なんだか変わり者の音楽」というような位置付けだったメタルが、80年代以来のブームが到来している。
今回紹介したいのは、そんな今流行りの日本のメタルバンド達が大学生や高校生だった頃に聞いていたBullet for My Valentineだ。
日本ではメタルが下火だった2000年代に新世代のメタルバンドとして君臨していたこのバンドは、当時様々な派生ジャンルが生まれていったメタル界では珍しく、古き良き正統派メタルを引きずったようなスタイルだった。それでいてスピード感を高め疾走するようなギターリフの多用は、古いメタルファンのみならず高校生や大学生のメタルファン、所謂メタラーやメタルヘッドを魅了した。
さて、日本に初めてやってきたのは2005年のサマーソニックだったが、当時の日本にはまだこの新しいジャンルであるメタルコアのファンは少なく、海外で評価の高い、知る人ぞ知るバンドだった。しかし、2008年にリリースされた2ndアルバム『scream aim fire』がヒットし、日本のメタルファンの間でも知られた存在となった。
彼らの音楽的特徴は、メタルの間でも珍しいギターのチューニングの仕方にある。通常、ギターは6つの弦を決まった音程に調節し演奏するのだが、低くてズンズンと腹の底に響くような音が必要な彼らのチューニングは「ドロップC」と呼ばれ、一般的な音楽のギターのチューニングよりも2音も下がっている。これが重くのしかかるようなギターリフを後押ししている。
また、もう一つの特徴として、新しいジャンルながらも古き良きメタルファンをも唸らせる部分(ゲームで例えるならやり込み要素的なもの)だ。彼らは全く新しいチューニングで演奏しながらも、ギターリフ自体はあの4大メタルバンドであるメタリカと非常に似通っているのだ。特にギターソロはメタリカを盗作したのではないかと一時期噂されたほどだ。
そんな彼らの楽曲はもちろん日本のバンドにも影響を与えた。今や激しい音楽が好きな者なら知らない者はいないColdrain、Crossfaith、Crystal Lakeなどへの影響は彼らの楽曲を聞けば明らかだ。そう、明らかにギターのチューニングがBullet for My Valentineと同じドロップCなのである。
そして今、上記の日本のメタルバンドも成熟し、新しい新世代のメタルバンドがどんどん出てきている。彼らのDNAを引き継いだバンドは日本の新世代にどんな影響を与えたのだろう。