少年の頃の夢を思い出させてくれる名作!
国内累計発行部数4億部超えの大人気マンガ、ONE PIECE。
ひとつなぎの大秘宝”ワンピース”を求め、多くの人々が海に繰り出す大航海時代、海賊王を目指して旅をするルフィとその仲間たちの強い絆と熱い信念は、少年たちはもちろん、多くの大人をも魅了しています。
個性豊かなキャラクターも大きな魅力の1つ。
マンガ連載1000話目を記念して行われた、総勢1174名のキャラクターの中から世界一を決める人気投票企画では1位のルフィを筆頭に、麦わらの一味や、共闘する海賊たちの名前が連なりました。
しかし、劇場版で歴代1位の興行収入を誇る作品は、実は海賊ではなく海軍がメインに据えられたストーリであることをご存知ですか?
68.7億円の興行収入を記録し、歴代ダントツ1位の成績を収めているのが、2012年公開の「ONE PIECE FILM Z」という作品です。
「FILM Z」への高評価と共に強い支持を得ているのが、映画オリジナルキャラクターであり、元海軍大将のゼファーという男です。
彼は誰よりも強い正義心を持つ男でした。
しかし、とある悲惨な事件をきっかけに、その心は挫かれ、今や世界を巻き込むテロリストと化してしまいます。
そんな中、かつての教え子の1人であり、海軍大将を辞した青雉・クザン、そしてルフィたちとの邂逅を経て、ゼファーは彼の原点たる正義の心を取り戻していきます。
映画のタイトルでもあり、ゼファーが自称として何度も叫ぶ「Z(ゼット)」という名は、実は彼が幼少期に正義のヒーローへ扮する際に名乗っていた名前でした。
これは映画の最後に明かされるのですが、劇中打ちのめされながらも「俺はZだ!」と叫んでいた彼には、ずっと正義を信じ全うしたいという思いが宿っていたのです。
現代社会に生きるわたし達も、理不尽な目に遭い、やりきれない思いを抱えることも多くあります。
その内、小さい頃に抱いていた夢や希望を忘れてしまう人も少なくありません。
ゼファーも不条理な世界の中で、もがき苦しみ生きた人物です。
それでも正義のヒーローでありたい、という純粋な思いを持ち続けていました。
痛ましくも前向きな男が、最後には小さい頃と同じ輝きを取り戻し、自分の信じる道を全うする姿は、泥臭くも逞しく、多くの人の心を打ちました。
王道少年マンガの先頭を走るONE PIECE。
その劇場版で最も評価されている「FILM Z」は、少年の頃の無垢な夢と信念を思い出させてくれる名作の1つです。
劇場版は原則マンガのスピンオフの立ち位置で描かれるので、原作を深く知らない人でも楽しめる構成となっています。
ファンのみならず、是非大人のみなさんにこそオススメしたい映画です。