少年のアビス

少年のアビス

『少年のアビス』(Boy's Abyss)とは、峰浪りょうによる漫画作品、およびそれを原作としたテレビドラマである。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて2020年13号から2024年34号まで連載された。単行本はヤングジャンプ・コミックスより全18巻(全183話)が刊行されている。本作は「次にくるマンガ大賞2021」コミックス部門で11位を獲得した。作者の峰浪りょうにとっては『溺れる花火』『ヒメゴト〜十九歳の制服〜』『初恋ゾンビ』に続く4作目の連載作品となる。
閉塞感の漂う田舎町で、看護助手の母、引きこもりの兄、認知症の祖母の世話をしながら暮らす高校生・黒瀬令児(くろせ れいじ)が、憧れのアイドルの少女・青江ナギ(あおえ ナギ)との出会いをきっかけに心中を持ちかけられ、町に蠢く様々な人間の欲望や愛憎に巻き込まれていくスーサイドラブストーリーである。
2022年9月から10月にかけて毎日放送の「ドラマ特区」枠にて実写テレビドラマ化され、荒木飛羽が連続ドラマ初主演を務めた。監督はかとうみさと、湯浅弘章、脚本は狗飼恭子が担当し、全8話が放送された。

go-1135012220669805660997のレビュー・評価・感想

少年のアビス
9

まさに深淵を覗き込む作品

とある田舎。そこにいたって普通の男子高校生、黒瀬令児は住んでいた。彼は成績優秀だったが、自分の生まれた町から出ることができないと二者面談の時、担任へ話す。令児の家庭は、認知症の祖母、看護師の母、引きこもりの兄との4人暮らしで、現在、主に母親が働きながら祖母の面倒を見ている為、令児はこの町で就職し、母親が楽できるようにしたいと思っていた。担任は高卒で就職し母親を楽にさせるのは難しいから、自身の母親ときちんと話をすることをすすめる。彼の幼馴染チャコも、家の事情はあっても令児の人生は令児のものだと言ってくれる。一見、ここまではよくある話なのかな?と感じさせる展開。しかし、令児はもう一人の幼馴染、峰岸にパシリ扱いをされており、タバコを買いに行くよう頼まれる。その日、はじめてコンビニの店員からタバコを未成年には販売できないと断られる。その後峰岸から解放され帰宅したが、ホッとする間もない。家では祖母が椅子を排泄物で汚しており、令児がその後始末を行う。それだけではない。引きこもりの兄が、自分の好きな唐揚げがないと母に罵声を浴びせる。令児の母親は令児がいなかったら死んでる、と疲れた顔でつぶやく。引きこもりの兄の食べる分の食事と、母親と自分のお弁当を買いに、令児は先ほどタバコを売れないと断られたコンビニへもう一度向かう。すると、先ほどのコンビニ店員が廃棄の弁当を薄汚い男に代金を貰わず、タダで手渡していた。彼女は、令児にタバコを差し出す。今は私服だから、と。その瞬間、令児は彼女が「アクリル」というアイドルグループの中のひとりであることに気付く。タバコに火がついた瞬間、深淵への物語が動き出す…。現在出てきた人物が、それぞれ重要人物であることがこの作品の面白い所です。ただの鬱々とした物語ではなく、恋愛要素やミステリー要素も絡み読者も想像がつかない展開ばかり起こります。