雲の向こう、約束の場所

雲の向こう、約束の場所

『雲のむこう、約束の場所』とは、2004年公開の新海誠監督による長編アニメーション映画である。物語の舞台は津軽海峡を挟んで南北に分断された戦後の日本。米軍統治下の青森に暮らし、飛行機作りをしようとしていた少年たちだったが、1人の少女の転校をきっかけに別々の道を進んでいく。東京国際アニメフェア2003 表現技術賞(パイロット版)をはじめ、様々な賞を受賞した作品である。

akaton690のレビュー・評価・感想

雲の向こう、約束の場所
8

切ないアニメ映画

アニメ映画『雲の向こう、約束の場所』についてレビューしたいと思います。
主人公の藤沢と同級生の白川はヴェラシーラと呼ばれる小型飛行機を作っていました。そこに沢渡という女性の同級生が加わることになります。いつか空を飛ぼうと誓ってー-。

それから日数は過ぎて沢渡は永遠に眠り続ける病にかかります。この時の主人公の藤沢の描写が素晴らしいと思いました。どことなく沢渡を探すシーンはとても切なく感じました。

沢渡は夢の中をさまよい続けており数年間眠り続けていましたが、エゾと呼ばれる島に巨大な塔があり、そこと繋がっているというものでした。塔を研究している人達が沢渡を見つけるのですが、ちょうどその時に主人公の藤沢が沢渡のいた病院にたどり着きます。

そこで現実と夢の世界がシンクロするのですが、音楽などで心臓を揺さぶるシーンが映し出されて引き込まれます。

いつしか疎遠になってしまった白川と学生の時に作っていた、ヴェラシーラのある場所にたどり着きます。その時のバイオリンを弾くシーンとアニメの描写が心に響くものがありました。

それから藤沢と眠り続ける沢渡でヴェラシーラに乗って塔を目指します。
最終的には塔をミサイルで破壊するのですが、そこで沢渡は目を覚まします。しかし彼女から藤沢への「好きだ」という気持ちが失われ、彼女は「何か大切なものを忘れた」と言っています。

トータル的に、画質はとても綺麗でストーリーはとても切なく悲しみに溢れています。
続きが気になるところで映画は終わるので、少し心にいびつなものを残していく感じのする映画です。

スカッとしたい人は苦手な可能性があり、切なさややるせない気持ちを描いたものが好きな人は良いと感じるでしょう。
何より新海誠監督の背景描写のレベルの高さに引き込まれます。