今までにも、これからもないRPGゲーム
MOTHERは、敵を倒しても「殺す」ことはしません。「我にかえった」とか、ロボットならば「ポンコツになった」という風に、今までのRPGでは全くなかった表現がされます。
武器や装備も、中世的な鎧や剣ではなく、バットなどで戦います。
回復するものも最初に自分で入力した「たべもの」を「おかあさん」が作ってくれるので、それも新しい発想です。
そして、なんといっても感動するのは、ラスボスとの戦い方です。最初はダメージを与え、与えられたら回復していくの繰り返しなのですが、ある程度のダメージを与えてターンが進むと「うたう」という選択肢が現れます。
回復をしながら「うたう」を選択していくと、今まで行ったことのある場所で覚えた「うた」を歌っていきます。
すると、どうしてもダメージがほとんど与えられなかったラスボスに強大なダメージが与えられていきます。
それも悲しいほどに切なく、だんだんとラスボスの正体がわかっていき、覚えた「うた」を歌いきった時、戦いは終わります。殺したりするのではなく、感動的なラストを迎えるのです。
そして、なんといっても一番感動するのは、エンドロールです。「うた」が流れる中、自分の名前がクレジットされるのです。こんなラストは、MOTHERが初めてだと思います。
音楽も素敵で、斜めに歩くのも、初めてづくしで楽しいゲームです。糸井重里が何年も費やして作ったゲームだということも、頷けます。