寄り添う歌詞とどこか懐かしいメロディ
Mr.Childrenが90年代から活動していることは最近知りました。その頃のボーカル櫻井さんは髪の毛がセンター分けでどこか若いイメージ。90年代の代表曲は、『シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜』ではないでしょうか。大人と若者の狭間にいるこの歌の主人公が、周りと自分を比較する様子が歌われています。まだ青い若者の心の叫びが伝わってきます。何度もフラれるけれどまた恋をしてしまう性に呆れながらも、その甘酸っぱい青春を歌っています。
2000年代前半から後半にかけては、歌詞に変化があるように思います。
例えば『HANABI』だと、歌の中の主人公は何かを切実に願いながら、うまくいかない現実と戦い生きている感じがします。「臆病風に吹かれて 波風が立った世界をどれだけ愛することができるだろう」と、この世界に怯えながらも前を向く歌詞に背中を押されます。特別な人だけじゃない、誰にもある感情をMr.Childrenは歌っているのだと思います。
また、『旅立ちの唄』では、ボーカル櫻井さんのお父様が亡くなったことを歌ったものと言われています。でも、ここもMr.Childrenの温かみがあるのが特徴。“遠くで見守っていてね”と、死を受け入れて自分の生を全うしようとした1人の人の決意が受け取れます。時に涙を誘うような、どこか私達に寄り添ってくれるような歌詞とメロディが、優しく心に響きます。