ピンクとグレー

ピンクとグレー

『ピンクとグレー』とは、加藤シゲアキによる日本の青春小説、およびそれを原作とした漫画や映画作品である。2012年1月28日に角川書店から書き下ろしで刊行された。著者の小説家デビュー作である。当時ジャニーズ事務所所属のタレントが小説を出版するのは史上初の試みであり、発表に際して著者は本名の「成亮」から「シゲアキ」へと改名している。
本作は、芸能界デビューを機に成功と挫折という正反対の道を歩むことになった2人の青年の葛藤を描いており、タイトルの「ピンクとグレー」には曖昧な2色の対比という意味が込められている。舞台となった渋谷は著者が実際に過ごした場所の風景が反映されており、のちに執筆された作品と合わせて「渋谷サーガ」3部作に位置づけられている。単行本は異例の重版を記録し、2017年には累計発行部数45万部を突破した。
物語は、幼馴染の河田大貴(かわだ だいき)と鈴木真吾(すずき しんご)が高校時代に読者モデルとして声をかけられたことから始まる。共に芸能事務所へ所属した2人であったが、真吾が「白木蓮吾(しらきれんご)」の芸名で瞬く間にスターダムを駆け上がる一方で、大貴は端役止まりで大学とアルバイトに追われる日々を過ごし、やがて2人の関係は決裂する。25歳になり同窓会を機に再会したものの、真吾のマンションを訪れた大貴が目にしたのは、遺書を残して命を絶った真吾の姿であった。大貴は親友のために遺書を選別して現場を整え、その後、真吾の半生を綴ったノンフィクション書籍を自ら執筆する。その書籍の映画化が決まり、条件付きで自ら白木蓮吾役として主演を務めることになった大貴は、撮影の過程で空白の5年間に隠された真吾の真の葛藤や想いを知ることになる。
2016年には行定勲監督によって実写映画化された。映画版はアレンジが施され、中島裕翔が演じる白木蓮吾が主人公となり、開始62分後に映画オリジナルの仕掛けが用意されるなど原作とは異なる構成が話題を呼んだ。釜山国際映画祭や東京国際映画祭にも出品され、興行収入6億円を突破するヒットを記録した。

un_festivalのレビュー・評価・感想

ピンクとグレー
6

途中の仕掛けに驚かされた作品

菅田将暉さんと中島裕翔さんのダブル主演映画です。菅田将暉さんの演技に特に心動かされました。
東京に住んでいる中島さん演じる蓮吾のところへ、関西から菅田将暉さん演じる大貴が引っ越してきます。2人はすぐに仲良くなり、学生時代を共に過ごします。夏帆さん演じる女の子が2人の初恋相手でした。
ひょんなことから、雑誌のモデルをすることになった蓮吾と大貴。初めは2人一緒に仕事をさせてもらえるのですが、途中から蓮吾だけに仕事のオファーが来るようになります。印象的だったのが、菅田さん演じる大貴がアルバイトの休憩中にテレビを見ていると、そこに華々しく活躍する蓮吾の姿が映っているシーンです。2人は全く別の世界の住人になっていきました。
しかし、映画の途中でカラクリが起きます。それが、“蓮吾の自殺”です。蓮吾は首を吊り自ら命を落としたのです。それを発見したのが大貴でした。そしてこの瞬間「カット!」という声が…。
「え?」と呆然としました。なんと、今までの蓮吾と大貴の物語は、“映画の中でも物語”だったのです。
蓮吾役を演じた中島裕翔さんは、大貴役を演じた菅田将暉さんより格下の俳優だったのです。つまり、前半の物語と、蓮吾の自殺後の物語では、2人の立場が逆転しているのです。
本当の蓮吾は、中島裕翔さんではなく柳楽優弥さんでした。彼が亡くなったのは本当なのですが、どうして亡くなったのかが後半部分で明かされていきます。物語のカラクリにすっかりハマってしまう映画です。