青春が全部詰まっています。
初めてこの作品を読ませていただいたときは、まさかここまでハマるとは思っていませんでした。サッカー未経験の主人公がだんだんうまくなって、最後に笑って終わるような、単純な展開だろうと思っていたからです。大筋この展開から逸れてはいませんが、主人公以外の人物へのスポットの当て方、試合展開の面白さは、個人的にサッカー漫画の中では群を抜いていると思います。サッカー未経験者の主人公が、名門校でいきなり試合に出場し始めるというのは少しリアリティには欠けますが、それ以外の点、入学直後の先輩たちの圧、練習風景、寮や学校での生活風景、学年ごとの絆、サッカー部全員の絆というのは、私自身高校野球を経験していたので共感の嵐でした。この作品を見てから、忘れていたような記憶もどんどん思い出すことができ、辛かったことも財産になっているし、あの時は理解できなかった先生方の言葉も理解できるようになりました。部活動がつらい記憶だけで終わってしまった方、部活動をやっていたあの頃の青春に戻りたい方、高校の部活ってどんなものなの?と思っている方全員必見の作品です。夢中になってボールを追いかけていたこと、隣の席の子いつも寝ているなと思ったこと、当たり前だった日常が当たり前じゃなかったこと。見終わった後は、携帯片手に苦楽を共にした仲間に連絡をしているでしょう。そしてこの作品のことも紹介しているはずです。ぜひご覧ください。